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日本の守り伝えられてきた芸能を何か身につけてみたい…近頃そう思います。
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+ 源甲斐智栄子
大阪市出身。
大阪市が主催する「シリーズお芝居探検隊」などの企画運営や、自主公演の制作協力。歌舞伎の案内コラム執筆や、催しのコーディネート。
平成11年には脚本「慶長恋舞」で「阿国奨励賞」を受賞。


澤千左子 地歌の世界

2005年の2月、3回に渡って、「大阪くらしの今昔館」で、澤千左子先生の地歌のワークショップが開催されます。
受講料はなし(笑)。毎回入館料(600円)のみが必要です。
参加者全員、終わった時には課題曲が歌えるようになっている!!・・・・という主旨で開催される実のあるワークショップです。
申し込みは下記HPで近々アップされますが、詳細等、解らないことがありましたら、くらしの今昔館までお問い合わせください。

尚、1月9日は、同じく「大阪くらしの今昔館」で澤先生の琴の演奏会もあります。
お正月、生で聞く琴の調べは素敵だと思いますよ。
大阪くらしの今昔館HP
http://www.city.osaka.jp/sumai/museum/frame/0_frame.html



地歌というのは、まさに字の通り、私達が住む上方の地で育った歌のことです。
江戸に下ってからは、江戸の人達が憧憬を込めて「上方歌」とも呼んでいます。
この「歌」という字、「唄」でもどちらでも良いのですが、江戸の習慣では「唄」、上方の習慣では「歌」と使われていた・・・そんな習慣がある、と、ある本で読んだので、私はそれから、何となくこだわって「歌」という字を使っています。
ですが、本当にどっちでも良いみたい。今は「唄」と書かれていることの方が多いようです(笑)。

地歌は、歌舞伎の中でもよく使われています。
歌舞伎が好きだと当然、その音楽にも興味はわいてきます。
そう、何たって歌舞伎は総合芸術、と言われているのですもの。
まぁ、ぶっちゃけて言えば本当はミュージカルだってそうだし、他にも色々そうだと思いますけどね・・・。
ただ、歌舞伎が好きだった人が、文楽や舞踊、長唄などの音楽などに興味を持ち、もう今はそちらに夢中、という人も何人も知っているので、そうした点で歌舞伎は、何種類もの邦楽やら舞踊やらと波及効果は凄いなと感じます。
どんな催しでもそうですが、こうした会に参加すると、同じことに興味がある人達が集まるのも楽しいですよね。凄くコアな人から、全然知らない人までいるので、色々関連したお話が聞けたりして「へえー」と感心したり、ためになったりすることも多いです。
私も歌舞伎という好きなモノを通じて、長くお付き合いをさせて頂いているお友達がいます。
これは「まちねた」の方にも書かせて頂きましたが、私達の住む町の文化が「たこ焼き」とか「よしもと」だけで語られるのに抵抗がある、だけど「じゃあ、何?」と聞かれると答えられない人って、けっこういませんか?
谷崎潤一郎が描いた大阪の奥深い文化に興味はあっても、習いに行くとなると敷居が高い、習うにしてもまず、自分は余りにも知らなさ過ぎるのではないか?と思っている奥ゆかしい(?)方、けっこういらっしゃると思います。
でも、心配しないでください。そのためのワークショップです。
澤先生がまず、地歌とはなんぞや?ということからお話をしてくださいますので安心してください。そして、何となくは解っているけど人には説明できない、って方にもお勧めです。1人の方はビビらずに、そして、お友達同士、親子ででも気軽にご参加頂けたら・・・と心から思います。


課題曲は「浪速十二月」という歌です。
これは大阪の四季おりおりの年中行事を歌ったもので、お正月のご挨拶に、七草、十日戎、お彼岸に、天王寺の舞楽、野崎観音さんの無縁経法要、端午の節句、天神さんのお祭り・・・・と、かつての大阪の人々の生活のあり様が歌を通じて伝わってきます。
そうした俗語の意味を知るだけでもとても面白く、懐かしかったりもします。
囃子詞(はやしことば)も多いので楽しいですよ。
この曲は舞地(舞の演奏)にも使われていて、山村流、吉村流でご覧になった方もいるのではないでしょうか。
また京都では「都十二月」というのがあって、同じく京都の風物詩が歌われています。

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