log osaka web magazine index

フェスティバルゲートで活動する4つのNPOの検証と未来に向けてのシンポジウム


第三回シンポジウム

会場(曽和) 新世界で写真屋をやってます曽和と申します。今のこの条例の中でちょっと引っかかった部分がありまして、定義2条「芸術活動 芸術作品を創作し、又は発表すること(専ら趣味として行うものを除く)」ということが書いてありますね。それらがいわゆる芸術家であると、芸術活動である、と。甲斐 となってるみたいですね。曽和 この線引きは何ですかね? 私は写真屋ですけれども、三十数人のバンドを組んでる、代表でやってるんですけど、それは趣味なんですよね。だけど、演奏もします、あっちこっちボランティアで慰問もしますし、音楽活動はやってるんです。そのことと、趣味でない方の音楽活動との差がですね、NPOを立ち上げてやればそれが芸術なのか、NPOを立ち上げないとそれは素人なのか。そこの差がよくわからりません。で、そこでですね、皆さんがNPO法人というかたちで、常々音楽ないし芸術活動を好きでやっておられる。そのNPOを組まれた理由ですね、そこをお聞きしたい。何のためにNPOを作らたのか? 目的ですね、そういうのを作られたらどこかから予算が来るから活動的に楽になるのか? 僕らも、実質その三十何人のバンドを、森ノ宮の練習場借りてやっています。年間けっこうな練習場代もかかります。これは全部メンバーの出資でやってます。演奏会をするのも、今年は毎日新聞社の下のオーバルホールを借りてやりますが、百万かかります。これも全部みんなのお金でやります。そのことと、NPOを立ち上げて例えばこういうところで演奏される、その違いは何でしょうかね。西川 あの、とりあえず音楽の話が出たので、僕が。 ビヨンドイノセンスが立ち上がった理由っていうのは、いわゆる即興演奏とか前衛音楽ですね、日本であまり認知されていない、海外でより認知されているような音楽を日本でも広めていこうとか、例えばここ大阪の方に触れる機会を多くしていくとか、そういう人材を育てていくとかね。そういうことなんですよ。ここ(BRIDGE)で、例えば僕が演奏します、というときに予算が出るかというとまったく出なくて。お客さんを呼んで、お客さんを呼んだお金から、チケットですね、チケット収入でBRIDGEにお金を払ってっていう形でやってるんです。だから予算が出ているとかじゃなくて、ここを僕らは使わせてもらっているというか。何かそうやって面白いことができていったらいいかなっていう考え方でやっていて、たぶん、ほとんど同じやと思うんですよ(笑)。曽和 だから、NPO法人を立ち上げての活動は何のためにわざわざNPO法人を立ち上げられるという、その目的を。西川 それはだから、あの、日本であまり認知されていない音楽を。曽和 べつにNPOでなくても、おたくが代表でそういう会を作って名前つけて活動されてもそれは全然問題ないことなのに、わざわざNPO法人を立ち上げてっていう、そのNPO法人を立ち上げる理由ですね。西川 あ、NPO法人を立ち上げる理由ですね。曽和 そうそう。何のためのNPO立ち上げなのか、そこをちょっとお聞きできれば。大谷 ちょっといいですか。うちの場合は、アーティスト=NPOを形成している人間ではなくて、ダンスボックスというNPOは、ここにアーティストがいます、ここに一般の市民がいます、ここに行政がいます、ここに企業の人がいます、そういう人たちを結びつけていくものとしてのNPOなんですね。もちろん、アーティスト集団により近いNPOさんもあるんだけど、むしろダンスボックスの場合は、アート・サービス・オーガニゼーションという言い方をしているんですけれども、要するに芸術と社会を結びつけていくためにNPOというシステムがたぶん一番今の日本ではかなっているだろう、と。だから、会社、営利を目的とするものとはやっぱり性格が違うと思うんですね。だからといってボランティアではでききれるものでもない。それはそこにひとつのアートの専門家を育てていこうと。この中でいうと、ビヨンドイノセンスもダンスボックスもしているのは、日本のなかでは評価のなかで定まっていないアーティストたちを育成している。これは、ただ、世界という市場を見たときに、大阪でこれだけのアーティストがいるということがじつはフランスやアメリカでは認知されているけど、日本のなかではそれほど大きく認知されていない。でも、そういうアーティストの作品あるいはアーティストそのものが僕たちはすばらしい芸術家やと思っている。と同時に、芸術家そのものが、たとえばダンスを公演するために踊るだけではもうだめな時代に来ている。それは芸術家自身が社会に対してどういうアプローチをしていかなければならないのか、という、ただ、ここが趣味と少し分かれるかもしれないとこですね。分かれないかも知れないんですけど、自分の好きなことをやっている。自分勝手にやっている。そこでいくら優れた芸術を作っていても、そこに社会的な意識があるかないか、ということが、ひとつプロっていう見方かなと思うんですね。例えば、ここから趣味でここから先がプロかってこと、非常に本当に難しい判断で。例えば、ダンスボックスに誰でも参加できるプログラム、ダンス・サーカスというのがあるんですけど、これわずか12分の作品で審査はしないんですね。これ全国からいろんな人が集まってきます。ただ、その面接をして聞く一点があるんです、あなたはプロとして生涯をかけてこの活動をやっていく覚悟がありますか。下手でも何でもいいんです、ただ、命をかけて、非常に抽象的な言い方なんですけど、そういうことを問い詰めます。だからこそ、彼、彼女が作った作品に対して、僕らは後でそれはどうだって意見を言います。そのキャッチボールをすることで、そのひとりのアーティストが育っていく。だから、そういういろんな、多様な角度をもちながら活動していくっていうことにおいて、NPOという組織形態はたぶんいま日本で選ぶとしたらベストなんではないかって思ってNPO化しています。曽和 それはNPOでなかったらそういう活動はできないですかね。その冠がなかったら。そこがね微妙なとこでね、NPO自体が最近できたものでしょ、その目的が、NPOとして立ち上げんとそういうことができんかっていうとそういうことでもなくて。大谷 もちろん、そうです、だからそれを……。曽和 新世界でも、ヨーロッパのジャズを自分が趣味から入って、澤野工房さん。あの方なんかは趣味から入ってんですね。履物屋の坊ちゃんで音楽が好きでジャズが好きでーっていう趣味からぐーっと入っていって、わざわざ向こうへ行って向こうのプレイヤーを探して、これはいいっちゅうやつをレコーディングして自分でこつこつこつこつやっていまの状況になっている。個人で始めて、いまや会社を立ち上げてやってはります。別にNPOでなくてもできる活動はあるんです。こんなところを借りてるから突然出て行け言われて困ってしまったというだけのことで。それだったらNPOでない方がやりやすかったんじゃないかなと。NPOといっても、いろんなNPOありますね。ややこしいNPO、何?っていうNPO。NPO立ち上げたら、どこからかお金が来るとか援助があるとか、そういった予算の枠で何かができるとかいうことを目的にしてNPO立ち上げてやってらっしゃるんやったら、ちょっと甘いですよね。これが本来の活動目的としたら、それはちょっと間違ってます。と、僕は思ってしまうんですよ。だから、何でばたばたしてはるのかなあと。大谷 あの、それは非常によくわかる話で、もともと僕らも任意の団体で実行委員会のかたちでやってましたから、お金が欲しいからNPO化したわけでは決してないんですね。ただ、NPOというものと任意の団体というものとの社会的な認知が違うという現実はあると思うんですね。それはお金が欲しいからやなくて、ひとつの社会的認知があると考えたんです。例えば、アメリカみたいなNPOという活動が非常に盛んな国もあって。そういうことをいろいろ考えてNPO化したんですが、そこに日本の芸術文化ということを担っていってる覚悟があるんですね。またもう一方で、ヨーロッパ型の国や州政府や市がすごく芸術家や劇場、美術館を支援するような形態があって、だいたい国家予算の1パーセントぐらいが芸術文化、文化に関する予算があって。日本の場合はご存知かと思うんですが、0.1パーセントしかない国。それだからこそ、基本的に僕たちがやっているひとつの芸術活動に対する自信と覚悟があるんですね。曽和 あのね、僕が言ってるのは皆さんの活動がどうのこうの言ってるんじゃないんです。今からね、こういうことをどんどん発信していくといういうのは、僕はもう大賛成なんですよ。実際、(Breaker Projectの)伊達さんとかじんじんさんの活動に僕もちょっと行かせてもらったりしたことがあります。最初は、何やろなっていうことから、だんだん理解ができるようになて、写真も撮ったりしてるうちに、あーそうかーってわかってくるんですね、あーこういうことも芸術としてあるんだっていうことが。それが徐々にでも広がっていけば、僕はまことにいい活動やと思っています。だから、活動に対して僕は何も言ってないんですよ。ただ、NPOでここでやってる、それが打ち切られるからどうなるの?ていう議論をやる必要はないんじゃないですか? ここがだめなら、このそばの場所を探してでもですね、この地域に根付いたんだから、相変わらず新世界とつながって続けていったらええじゃないかぐらいの大きな気持ちでいけばいいんじゃないかと思うんです。甲斐 よくわかります。それはそのとおりなんです。 けれど逆にこの機会を使って、大阪市さんとの会話を皆さんのほうに持ち込めたのもまた事実なんですね。NPOだからこそ、こういうふうに皆さんのところに開くことができる。それが一企業だったりとか、一任意団体だとしたら、なかなかそれはこういうふうに広げれないんですね。こういう機会に持ち込んでいきたいというのが、またひとつのNPOの役割だと思います。 すみません、この質問は、2部で地域の方と話す中で続けていければと思います。ごめんなさい、だいぶ時間が予定より過ぎてしまったので。すみません、後ろの方で手を上げていただいている方がおられましたが、最後の方でもう一回質疑応答の時間とりますので、その時にまた手を挙げていただければと思います。休憩はしっかり15分とります。休憩のとき、BRIDGEのみなさん入ってもらえるんでしたっけ。はい、では、15分の休憩の間、演奏でお楽しみください。
 

 

<< back page 1 2 3 4 5 6 next >>
TOP > 新世界アーツパーク未来計画シンポジウム > > 第三回シンポジウム
Copyright (c) log All Rights Reserved.