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野外劇は楽し 平加屋吉右ヱ門
 人通りの少ない中之島公園を北浜から歩いていく。日も暮れた、土曜日のオフィス街の中の公園は、時たま犬を連れた人と擦違う程度で、だんだんと不安になってくる。それでもさらに進むとその先にラフレシア(テントの円形劇場)の灯りが見えてくる。あった。自然に足が速くなる。白熱灯の赤い光がやさしく私を迎えてくれる。開演までまだ40分はあるが、すでに観客はテント中に入っている。促されて入り口をくぐる。
 客席がぐるりと舞台を取り囲むラフレシアには、すでにかなりの観客が座っている。空いている席の一つに座る。劇団員たちが本番の衣装とメイクでビール、おでん、劇の中に出てくる焼犬、Tシャツを口々に口上を叫びながら売っている。これを食べながらリラックスした雰囲気の中でいつしか私達は、この舞台の世界に入っていく。ふと見上げると、この公園の大きな楠がセットの一つとしてラフレシアに取り込まれている。後で実際に役者がこの木を昇り降りする。何分かごとに団員たちは立ち止まり、本公演のテーマソングを合唱する。
 取り壊しが決まった廃屋のようなビルに、町の人たちは粗大ゴミを捨てに来る。ここに集まる人々はそれぞれ体や心に欠け落ちた部分を持っている。その事をコンプレックスに思いながらも生きていく。舞台の真ん中から町の住人が埋めて行ったガラクタが次々と掘り出される。そこをさらに掘り進むと水が噴き出し、場面は売春宿へと移る。その中に住む一人のカタツムリ女を助け出すために、女は男に変装し売春宿へ潜入する。
 中之島という大阪のオフィス街のど真ん中。都会の中の暗闇へ、ラフレシアという秘密兵器を使って観客は、非現実の空間へ。腕力と呪術の力で引きずり込まれていく。
 さあっ。こ難しい話は抜きにして、ビールを片手に関東炊きを食べながら、長山現と楽市楽座の不思議の世界に首まで浸かって楽しみましょう。


キーワード
■野外 ■不思議 ■社会的弱者
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