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維新派(平城京遷都祭) 松岡永子
 「平城遷都祭」のイベントのひとつとして維新派のパフォーマンスがおこなわれた。確かに維新派はいつも野外特設会場で公演するが、白昼降り注ぐ陽の光の下で見るのははじめて。
 白いシャツに丈の短い黒いズボンという、いつもの昔の少年風衣装。全体の色調をモノトーンでまとめ、照明なし、装置なし。これまでのレパートリーから『路地の蒸気機関車』『ヒトカタ』『動く街』『くさまくら』の四曲をオムニバスでみせる。動、静、動、静の構成。

 大極殿跡を舞台にし、石台の段差を利用してみせる。『路地の蒸気機関車』は前公演『ナツノトビラ』のカーテンコールでもやった、おなじみの迫力ある演目だ。

『ヒトカタ』で女の子たちが椅子の上にゆっくりと立ち上がるシーンは空を背景にするとなんともいえない不思議な感覚がする。何もない舞台から何かが立ちのぼる気配がする。

 また、舞台と客席の間は通路になっており(たぶん会場の都合で道路をはさんでしか舞台、客席を設置できなかった)、演技の間も遷都祭に来ている無関係のお客さんたちが通る。なんだろうと立ち止まる幼児もいるが、たいていの人は居心地悪そうに足早に通り過ぎようとする。ベビーカーを押した家族づれ。走り抜ける自転車。
 その人たちのテンポと舞台上のテンポが無関係なまま並列されたとき、面白いのはスタティックな演目の方だった。
 特に『くさまくら』のゆっくりした動きのシーンでの、ふたつのリズムの意図しないズレが奇妙に面白かった。
 非日常の舞台世界に入り込むのとは違う、どこまでも日常世界にいることを意識しながら非日常の風景を眺める。幻想を見ている、という感覚があった。

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