log osaka web magazine index

ありもせん話

もともと京都市立芸術大学の工芸科で漆を専攻しながら、デザインよりの仕事を目指し、木材、漆などを使ったライトやテーブルなどを創っていた。と同時に芸祭(毎年秋に京都市立芸術大学で行われる学園祭)などにおいては、普段冗談で話しているような悪のりとも言えるようなアイデアをを実際に作ってしまったりもしていた。そのアイデアたるや、腰が抜けそうなほどしょうもないんだけど、そんなばかなことをそこまで真剣にやっているという滑稽さ!しかも、クオリティーが高い。伊達さんは“ありもせん話”という言い方をするが、その遊びにかけるエネルギーたるや徹夜も惜しまぬ力の入れ様。そのエネルギーは制作のために使うそれと何ら変わりがないと言う。

  仮装行列(芸祭初日に芸大生が京都の町中を仮装して練り歩く)では、高さが4mもあって目が動き鼻息も出る「おっさんの顔」を制作し、河原町通りをごろごろ引いて歩いたこともあった。その大顔面は行列のための山車であるだけでなく、模擬店の移動店鋪でもあり、中ではこたつに入ってお酒が飲めるようになっていたそうだ。さらに凝ったことには祭りの後半、みんなが疲れてきた頃、それに合わせるかのようにヒゲが伸びはじめ、あげくの果てには鼻血が吹き出す始末。芸がホントに細かいのだ!

目は可動式で発泡スチロール製、全体は竹と紙。写真はすべて(C)WOK.1989

 

←back [2/5] next →

HOME