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大阪市の主催事業「お芝居探検隊」。
現在に残る歌舞伎の名作の数々が、大坂道頓堀の芝居町から生み出されています。ですから大阪には、有名狂言や名優にゆかりの場所が本当に数多くあります。
この「お芝居探検隊」は、芝居の背景を探索することで、より深く芝居に親しんでもらいたいという催しです。探検隊の隊長は文化プロデュサーの河内厚郎先生で、私は、その企画制作に携わっています。芝居にまつわるゆかりの地は、年2回を基本に今まで7回、それを軸に、特別企画として、役者さんや歌舞伎の制作関係者をゲストにお迎えし、普段知らない芝居作りや人となりなどのお話を伺ったりもしています。

9月9日月曜日、特別企画として中村亀鶴さんをゲストにお迎えしてお話を伺いました。この方、昨年、中村芳彦という名前から二代目中村亀鶴さんを襲名されたのですが、お父様、先代の亀鶴さんは、今の中村富十郎さんの弟さん、また、“大阪の顔”と云われた初代中村鴈治郎さんのお孫さんという方で、当代の亀鶴さんはいわば御曹司です。しかしながら、国立の研修生養成所に行かれ、現富十郎さんの部屋子となられた・・・これは大変珍しいことです。

私は以前、亀鶴襲名を聞かされる前に、この方に、関西・歌舞伎を愛する会の機関紙「月刊大向う」のインタビューをさせて頂いたことがあります。情熱家でシャイ、そして、情熱家なのに、自分自身や身の回りのことは客観的に捉えようとしている・・・随分大人っぽい人だなあ・・・そういった印象を持ちました。生意気なようですが、情熱家でいて自分にクール、この感性を持ち続けられたら、きっと良い役者さんになられるだろうなあ・・・と、深く心に残った役者さんだったのです。
   
昔から襲名というのは、役者さんを大きくすると云われていますが、まさに亀鶴さんも、その通り。持ち味の古風な魅力に、伸びやかな大きさが増して来ていると感じます。
これからが本当に楽しみな方で、この催しが実現したのはとても嬉しかったです。
まずは、私があれこれいうより、当日のお話の様子から、河内厚郎先生の切り口で、当代の亀鶴さんを感じて頂けたらと思います。

中村亀鶴公式HP
http://www2.ocn.ne.jp/~jupiter7/newpage2.htm

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