セットの作り込み、衣裳や小物など細部のディテールにこだわっているところなど、石橋君の仕事と共通点があるように思いましたが、いかがでした?
なかなか映像作品を見る機会がなくて(写真の作品は見たことがあったんですが)、この間、京都で初めて見たんですが、まず自主製作でビジュアル的にも音にしてもあそこまでクオリティーが高いというのはすごい。随所に「やられた!!」って思うシーンがありました。長いということを除けば(笑)、かなり好きですよ。例えば車潰すシーン(クレマスター3)とかも、やりたくなる気持ちはとてもよく分る。ただ、僕だったら、あのシーンは1回でいいだろうってことになるんですけどね。車のシーンも何回も出てきたでしょ。ストーリー上必要だったらいいんだけどね。「あのしつこさは何?」っていう疑問はありますね。無理矢理引き伸ばしているわけでもないだろうし、本人の中では必然性があるんだろうけど、そこが『アート』作品ということなのかなあ。あれを映画館で上映しても商業的には成立させるのは難しいでしょうしね。僕らが作ったとしたら1話10分くらいになるかな(笑)。でもアメリカにはあの長さは必要だったんじゃないかな。
僕なんかもやっぱり人を撮りたいというのがベースにあって、でも踊ったり歌ったり演技したりしているだけではだんだんもの足りなくなって、どういうふうにカラダを加工するかというところに興味がいく。僕らはまだ加工するっていっても、足を伸ばしたりする程度なんだけど、クレマスターでは、人間の身体が動物のそれと混じりあって変身するような映像がリアルでしかも美しい。こういう技術やメイクがどんどん特殊な方にいく気持ちもとてもよく分ります。出演している人も美しいしね。
違う点は“笑い”が盛り込まれてるかどうかですかね?
そうですね。笑わそうと思っては作ってないでしょうね。でもシリアスなものを作ろうとしてやってるとも思えない。好きなようにやってるんだろうなあと思って見てました。
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