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5月17日大阪市立旭区民センターで『クレマスター』フィルム・サイクル日本最終上映特別プレイベントとして『カラー・オブ・ライフ』と『オー!マイキー特別編』(関西初公開)の上映+mama!milkのライブが行われた。1997年に初の劇場映画『狂わせたいの』が大ブレイク、2000年にはTV番組『バミリオン・プレジャ−ナイト』を監督・製作、キュピキュピ(江村耕市・木村真束・分島麻実・石橋義正によるユニット)でも、展覧会や上映会に出品するだけでなく、この春にはパリとロンドンでライブを行うなど、ジャンルを横断して活躍している石橋義正さんにインタビュー。

今回上映された『カラーオブライフ』と『オー!マイキー特別編』というのは?

『カラーオブライフ』は2000年にテレビで放映された『バミリオン・プレジャーナイト』(DVD発売中)が映画用に再編集されたもので、この中でも人気のあった表情の変わらないマネキンを使ってシニカルな家族ドラマを描いた『フーコンファミリー』を、子供向けに製作したものが『オー!マイキー』。今回の『オー!マイキー特別編』は2002年にテレビ東京で放映された21本をまとめたもので、関西での上映は初めてだったんですが、昨年、東京都写真美術館で上映されました。東京では、テレビ東京で夜の9時54分という子供もぎりぎり見れる時間帯で放映されていたので、小中高生に人気があって、1万5千人ほど来場者があったんですが、半分はマイキ−ファンの子供だったみたいです。僕が行った時には子供に囲まれて、いっしょに写真撮ったりしましたね。子供はマイキーファンなので、僕に興味があるわけではないんですけどね。(笑)

セットの作り込み、衣裳や小物など細部のディテールにこだわっているところなど、石橋君の仕事と共通点があるように思いましたが、いかがでした?

なかなか映像作品を見る機会がなくて(写真の作品は見たことがあったんですが)、この間、京都で初めて見たんですが、まず自主製作でビジュアル的にも音にしてもあそこまでクオリティーが高いというのはすごい。随所に「やられた!!」って思うシーンがありました。長いということを除けば(笑)、かなり好きですよ。例えば車潰すシーン(クレマスター3)とかも、やりたくなる気持ちはとてもよく分る。ただ、僕だったら、あのシーンは1回でいいだろうってことになるんですけどね。車のシーンも何回も出てきたでしょ。ストーリー上必要だったらいいんだけどね。「あのしつこさは何?」っていう疑問はありますね。無理矢理引き伸ばしているわけでもないだろうし、本人の中では必然性があるんだろうけど、そこが『アート』作品ということなのかなあ。あれを映画館で上映しても商業的には成立させるのは難しいでしょうしね。僕らが作ったとしたら1話10分くらいになるかな(笑)。でもアメリカにはあの長さは必要だったんじゃないかな。

僕なんかもやっぱり人を撮りたいというのがベースにあって、でも踊ったり歌ったり演技したりしているだけではだんだんもの足りなくなって、どういうふうにカラダを加工するかというところに興味がいく。僕らはまだ加工するっていっても、足を伸ばしたりする程度なんだけど、クレマスターでは、人間の身体が動物のそれと混じりあって変身するような映像がリアルでしかも美しい。こういう技術やメイクがどんどん特殊な方にいく気持ちもとてもよく分ります。出演している人も美しいしね。

違う点は“笑い”が盛り込まれてるかどうかですかね?

そうですね。笑わそうと思っては作ってないでしょうね。でもシリアスなものを作ろうとしてやってるとも思えない。好きなようにやってるんだろうなあと思って見てました。

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