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では、時間をおって、「ニュー・ミュージック・アクション」のことから伺っていこうかと思うのですが。まず、ニュー・ミュージック・アクションが、始まったのはいつですか?

たしか、96年の春だと思います、たしか。神戸のビックアップルというお店で、スタートしました。

僕は残念ながら現場には、知っていながら行った事がなかったのですけど、内橋さん一人で始めたのかとか、始めようとした時の様子とか、誰となのかとか・・・。

始めたのは一人で始めたんですけど。ただ、仲間っていうか、似たようなそういう事を考えている連中っていうのと、もっと知り合いたくて。とりあえず、自分でも長いことやってきて、こう、同じようなことを考えている人たちって、もっといるんじゃないか、絶対にいるんじゃないかと思って。それを実際どれぐらいいるのかを知りたかったっていうのがあったし、もしいるのであれば、そういう人たちと出会う場所っていうのを作りたかった。で、まぁ、神戸のビッグアップルっていうお店は、ずっと、もう長い事、オープン当時から出てたんですけど、そこで月に1回ね、日曜日の空いた時間を利用して、何かやらせてもらえるっていうことになったので、それでスタートしたんですよ。

そうして、毎月1回、行われていくニュー・ミュージック・アクションとなるわけですけど、内橋さんは世界中でいろいろ演奏してるでしょ? で、国内外含めて、そんな活動に似たような、なんかこう、演奏家の集まりとか、動きみたいなものとか、その当時にも事例はありましたか?

なんかね、ミュージシャン同士の集合体みたいなものは、いろんなところで起こってましたから。LMC(註) にしてもそうだし。あれはま、若い子たちの集団っていうのでは無いんですけど。いわゆる有名な人たちもみんな交えた、そういう新しい音楽を紹介したりするプロジェクトチームみたいなものは各地にあったと思う。
でも、僕が思っていたのは、もう、素人からプロまで関係なし。そういうレベルとかも一切無視して、とにかくそういうものに興味のある人たち、もちろん演らなくても聞きたいっていう人たちもいいんですよ。そういう人たちを発掘したいなっていうのがあって、そうでないと、もう、もう、何も変わらないんじゃないかなと・・・。だいたい現状にちょっとかなりイライラしてたので、この手の音楽っていうのは、まぁ、お客さんもそんなに来ないし、もちろん、みんな知らないっていうのが、多分一番大きな要因だと思うんですけど。そういう意味では知ってもらえるためにどうこうっていうのを考えだしたら、結局まず、そういうことに興味のある人間を増やさなきゃどうにもならないだろう、ということになって。
そういう機会をね、だから最初無料でやってたんですけど、だから、お客さんはタダで見れるし、どんなものかっていうのを気軽に来て、体験できる、そういうことで始めたんですよ。


LMCねぇ。あれも長いですよね。そうそうたるメンバーですけど・・・、っていうことは、ちょっとその96年当時の現状に、なんかこう、不満をというか、これじゃだめだという危機感があって?

単純に危機感があったんだと思う。そうそう、まさにその通りだと思いますよ。このままやっていって一体いいのかなって。
もちろん、ま、お客さん、たくさんの人に聞いてほしいけど、来ないのもわかるじゃないですか。お客さんがそれほど来ないようなものであるっていうのも分かるんですけど、でもだからといって、「別に来なくてもいいや」っていうことでは絶対にないと思いますし、絶対に好きなひともいるはずだと思う。そういう人たちには聞いてもらいたいし。聞いた事が無かった人には、もうとにかく聞いて欲しい。

当時は、神戸で唯一、ビッグアップルがそういうお客さんとつながっていた。

そうですね。神戸でというか、関西にもなかったんじゃないかな。どこにもなかったでしょう。ああやって、近藤さんがあそこの店を開放してくれたっていうのが、すごく大きなことだし、あそこがなかったら、出来なかったことが、もう山程ありますから。僕は今でもすごく感謝してるんだけど。