住居兼事務所兼カフェ。
今年の春、「東京、リベンジやねん」と彼女は大阪を出た。
その言葉の意味の詳細はよくわからなかったが、
カフェのことは、しばらくして共通の知人から聞いて知った。
「え、カフェ!?」どーなるんか…と少し気にはなりながら。
連れられて着いた場所は、まだカフェという形にはなっていない
以前は牛乳屋さんだったという“グリコ牛乳”の看板を掲げたままの一軒家。
大阪の道頓堀を彷彿とさせる、あのマークが堂々と主張している建物だ。
案内され、中に入る。
事務所といっても、机がひとつだけあるいわば、お部屋のような感じ。
お家の中…といった風の居心地のよさを感じながらすっかりくつろぎモードに入った。
いかん、いかん…オシゴト、だ。
「はい、チェブラーシカジャパンです」
電話に出た彼女は、標準語だった。
ちょっと意外だったので、思わずツッ込んだ。
「そうやねん…」
と言ったかどうか忘れたが彼女は軽く流した。
インタビューの間にも、宅急便屋さんが来たり電話が入ったり、何度か話が中断した。
ここは、オフィスなのだ。
アルバイトのスタッフが週に何回か来ているようだが、ほぼ毎日ひとりだそうだ。
最近はともかく、彼女のこれまでの奮闘をみていただけに
あらためて色々聞くのもヘンな感じだったのだが、
お菓子を食べながら、まったりと、ぼつぼつインタビューをしていった。
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