木ノ下:大阪へ、ようこそ!関西の来訪は何年ぶりですか?
西野:2002年の水戸芸術館の展覧会で帰国した時、京都で石庭を見たり寺巡りをしたのだけれど、そのときたこ焼きを食べるためだけに一度大阪へ寄ったのが最後。それ以前はずっとさかのぼって1970年の大阪万博だけど、その時も千里の親戚の家と万博会場しか行ってないから、今回のような長期滞在は初めてだよ。
木ノ下:大阪の印象はどうですか?
西野:よく聞く大阪のイメージのハデなおばちゃんはあまり見かけなかったけど、毎晩飲みに出かけていたので、食い倒れ呑み倒れのイメージは強く残っているよね。
それと御堂筋だっけ?シャネルとかある通りは平凡で格別な印象はないけれど、その一本入った心斎橋通りっていう商店街は大阪的なパワーがあってすごく好きだね。
心斎橋通りは1人でも4,5回は往復したよ。混雑していて異常な熱気が渦巻いている。大阪人の服の好みとか、大阪の若い人はどんなものに敏感だとか、あるいは大阪人全般の雰囲気とかあそこへ行けばすぐわかるような気がするよ。心斎橋通りで大阪の全てを理解できるかもね?それって大阪人にはいやがられる?(笑)
木ノ下:関西は商店街が街の中心にあって栄えている、ということの凄さは、西野さんに言われて、改めて気付きました。
西野:世界で一番長い天神橋筋商店街や、大阪じゃないんだけれど京都の錦市場にも感激したよ。関西はそういう商店街がまだ残っていて、そして未だにすごく活気があるよね。
東京はどこにでもあるようなチェーン店が集まっているだけのショッピングセンターが郊外にあるばかり。中央に吹き抜けがあって天井はガラス張り、真ん中に小さな噴水。ヨーロッパのショッピングセンターもみんな同じだよ。よくみんな退屈しないね。少しは大阪を見習って欲しいよ!
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