| 日々是ダンス。踊る心と体から無節操に→をのばした読み物 |
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文・写真
+ dance+編集委員会
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dance+とは
ダンスを楽しむ研究サークル。情報編集のほか、ドキュメント、ビデオ鑑賞会などをとおして、ダンスと地域、ダンスと生活をつなぎます。
- 古後奈緒子(メガネ)
窓口担当。守備範囲は前後100年ほど。
- 森本万紀子
エンタメ担当。
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音楽家/ガラス職人/グラフィックデザイナー/DJ/家具職人/映画助監督/大家/自治会会長/NPOスタッフなど。
- 神澤真理 NEW!
日常の中にある「おもしろそう」を発掘中。
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《京都の暑い夏 Hot Summer in Kyoto》体験レポート Vol.1
レポーター:森本万紀子 [dance+]
写真:田邊真理
ボディーワークB-1 4月29日(土)〜5月7日(日) 10:30〜12:30 全9回
[概要] 身体への気づき、構造の理解を通して自身の意識と身体をつなげていくためのプログラムです。ヨガをたっぷり9日間行い、呼吸と身体と意識をつなげ、日々を爽やかに過ごしましょう。優れた振付家であり、アレクサンダー・テクニークの指導者でもあるサンチャゴによるヨガ・クラス。深い呼吸を通して意識と身体とのつながりを発見していきます。
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サンチャゴ・センペレ (フランス/パリ)創作を通じて自身の魂と身体の起源を深く探る旅を続ける彼の作品は、古さと新しさ、西洋と東洋、身体と精神に対する深い洞察に満ちている。フラメンコ、インド舞踊、能なども学ぶ。ボディワークへの造詣も深く、ヨガの他、アレクサンダー・テクニークの講師としても多くの指導を行い、身体のあり方を見つめる彼の視線は多くの人に支持を受けている。'92年バニョレ国際振付家コンクールにて受賞。'94年、Villa九条山に滞在。以降、暑い夏事務局の求めに応じて多数来日。(提供:京都の暑い夏/photo: office kuppa)
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アシュタンガヨガをベースにしたヨガワークの基本を、実に丁寧にゆっくりと学ぶことになった9日間でした。たぶん半分以上の時間がデモンストレーションと言葉による説明に割かれ、アサナ(ポーズ)を実践していく上でも、カウントをとりながら全員で動くことは少なく、各々のペースで探りながら動く、というまったりとした流れのクラス。だから、とりあえず型を模倣して身体を動かしながらガッツでついていく、というような選択肢がありません。その時々に自分の身体の内部で何が起こっているかを観察し、意識する、ということに対して、参加者それぞれがハードに取り組めたと思います。
ヨガの基本は深い呼吸と連動させてアサナをとることですが、これを筋肉だけでやってしまうと、単なる深呼吸付きアクロバットにしかなりません(そもそもすごく格好いいポーズが山のようにあるので、そうなりがちでもあるのです)。何が重要なのかというと、吸う—止める—吐く、という呼吸と、ねじったり伸ばしたり引っ張ったりというアサナの組み合わせ方、そしてバンダ(錠)と呼ばれる、ある種の身体のコア的なものの使い方です。そのバンダもひとつだけではなく、いくつかあります。だから、きっかけはアサナというひとつの型ですが、それを実践する時に働く意識(脳)や内臓も含めたトータルな身体を、細部からのアプローチでホリスティックに動かしていく技術を身につけるためのトレーニングのようなものですね。動きも地味だし、作業も曖昧です。
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お話タイム
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毎日それぞれ一応のテーマが自然と出来ていましたが、基本的には、ヨガを続けていくうえで最も大切なベースとなるアサナに、丹念に取り組む構成になっていました。例えば、通常ストレッチとしてぺろんとやってしまうようなことでも、いくつもの段階に分けて順を追いながらゆっくりとやっていきます。そうするとズルが出来ない。自分の身体の強いところに頼って、そこに力の大半を受け持たせて逃げることも出来ません。だから、単なる腕立て伏せも、うつぶせの状態から身体を持ち上げるのに、10分かかっても持ち上がらなくて顔を真っ赤にしたりする女子が大半。もともと大概の女の子は腕の力が弱いので、踏ん張って力でゴリ押しせずにやるとなると、かなり難儀することになったのです。
一般のヨガクラスと異なる「ダンサーのためのヨガ」であることを感じたのは、身体を動かすことに慣れている人たちの身体、つまりある程度の癖が既にしみ込んでいる身体をニュートラルに戻すことに焦点が置かれていたことです。胸の開き方、腰の入れ方などに、それは顕著に現れていたのですが、中でも面白かったのが「肛門と性器の間を引き上げて締める」ムーラバンダなるしろもの。これは非常に抽象的な作業になるのですが、バレエにおけるトルソの引き上げとも違うし、モダンダンスにおけるコントラクションとも違うのだけど、その違いが外見上は微妙で、なおかつ作業自体が内的なものなので、けっこう苦労しました。意識するのは一点なのですが、これが基本姿勢を司ると言っても過言ではないほど、動きの全体に影響を及ぼします。だからこれがピリッといくと、それまで難儀していたアサナが驚くほどスルッと出来ちゃったりするんですね。前述の腕立て伏せも、ムクッと起きられてしまうんです。さよなら筋肉、こんにちはバンダ。
なかなか目に見えにくいし、言葉にもしにくいことなので、うまくいくと神秘的にすら見えてしまうのですが、普通に地道な作業を重ね、そして集中力があれば、筋力はそこまで問題にならずに出来てしまう。もちろん最低限の筋力は必要ですけど、基本的にはコツの問題です。無数にある力点の作用を意識しながら繋げていく。呼吸に合わせて動くことで、締めるところ、伸ばして解放するところを最大限に活かしたバランスを、ひとつひとつのアサナを通して学んでいきます。それが身体で分かってくると、だんだんアサナが目的ではなくなってくる。動く時に自分が身体をどう捉えているか、ということが変わってきます。
サンチャゴのインストラクションのほとんどは、アサナの型やそのアサナが身体のどの部分に作用するかなどのプラクティカルな側面よりも、そのアサナをキープするためにどこへ意識を持っていくか、ということに終始していました。そもそもヨガの究極目的は悟りを開いて神と合一すること。そのための瞑想の基本姿勢である蓮華座(パドマ・アサナ)をとるのに必要なスタミナ、力、柔軟性、安定した姿勢を得るための身体をつくるためのものとして、長い年月をかけて編み出された身体管理術の一種です。その入り口へと静かに慎重に、そして丁寧に案内してくれたサンチャゴさんに感謝します。合掌。
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