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                                  | 話に力が入ります | 
                                 
                               
                              初蝉の集い 
                                 6月22日、「初蝉の集い」と題した「第二回みよし会」のプレ・イベントです。会場はワッハ上方7階のレッスンルーム。8月17、18日に、この5階で「みよし会」は開催されます。 
                                 
                                 会場一杯のお客様を前に、昨年、大阪市役所のエントランスロビーで開催されたシティホールフェスティバル「上方歌舞伎絵巻」のビデオを上映しながら「第二回みよし会」へ思いを馳せるという趣向で、内容は吉弥さんの出雲阿国、忠兵衛、滝夜叉姫、芸妓と魅力の美味しいとこ取り。当日、ご声援のつもりでいらして下さった文化プロデュサーの河内先生にこれ幸いと厚かましくも急遽聞き手をお願いし、その朝、「みよし会」の楽屋などの下見と打ち合わせを一緒にしていた片岡比奈三さんにも壇上でお話を伺いました。比奈三さんは、場内の整理や受付もお手伝いをして下さったそうで恐縮・・・ごめんなさい。 
                                 
                               
                              
                                 
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                                  | 中央が比奈三さん、右が河内先生 | 
                                 
                               
                              それでは、最後に、吉弥さんに矢継ぎ早に質問 
                                 
                                Q・もし、歌舞伎の役者さんになってなかったら、どんな仕事をしていました? 
                                 
                                吉・舞台装置家。もともとそっちに行きたくてこの世界に入りましたから・・・ 
                                 
                                Q・女心は分かりますか? 
                                 
                                吉・へえっ?なにっ?それ、急に(大笑・・・で、真面目に)女心は・・・難しいですねぇ。 
                                 
                                Q・女形を演じる上で知っておく必要があると思いますか? 
                                 
                                吉・演じる側として理想の女性を演じたいと思いますが、現代の理想はどうなのかっていうと分かりません。でも、知らないよりは知った方がいいんじゃないでしょうか。 
                                 
                                Q・歌舞伎の世界に入って良かったと思うことは? 
                                 
                                吉・毎日、お芝居が観られます(笑)。それと、好きなこと(芝居)が出来てるから、仕事が苦にならない。朝早くったって苦にならない。違う仕事をしてたら、どうかなって思うから・・・。 
                                 
                                Q・良くなかったことは? 
                                 
                                吉・禿げたこと 
                                 
                                Q・禿げます? 
                                 
                                吉・鬘って蒸すからね。・・・って、今のは(禿げたこと)冗談ですよ(笑)。悪かったこと・・・は、考えたことないですね。好きな世界だから・・・。手一杯で、寝る時間が少なくっても、あんまり苦にもならない。裏の仕事も歌舞伎に関わることだから好きだし、最初は舞台に立つよりそういうことの方が好きだった。舞台装置家になりたかった訳やから・・・。 
                                 
                                Q・歌舞伎役者じゃなかったら、それ以外の芝居の演者になっていようとは思わないですか? 
                                 
                                吉・あんまり思いませんねえ。 
                                 
                                Q・女形は天職? 
                                 
                                吉・いや、そうは思わないけど、歌舞伎でやっていくなら、女形がいい、こっちの方があってると思ったから。 
                                 
                                Q・芸の円熟と反比例して、加齢によって衰える容色、女形としてそのことをどう思われますか? 
                                 
                                吉・容色っていうのを気にしてしまうのは若い役をされる方でしょう?私は、主役がいて脇をするという立場ですし、前にカルチャーポケットでもお話しましたけど、門閥に生まれてなくって良い所は役に敷居のないところ、自由なところなんですよ。これより下の役をしたら駄目みたいなものがないでしょう。お姫さんも仲居さんもさせて頂ける。だからそのことを特に気にはしていません。 
                                 
                                Q・若手とのジェネレーションギャップは感じます。 
                                 
                                吉・それはねえ、私が入門した当時、30年前を思えばねえ。でも、それと一緒の感覚でいては無理でしょう。 
                                 
                                Q・若手に先輩としてアドバイスを何か? 
                                 
                                吉・うーん。そうですね。芸事というのは自分から教えてもらいに行かなければ教えてもらえないということですね。私もどちらかというと人見知りしてしまう方ですが、ここぞという時は伺いに行きますからね。 
                                 
                                Q・来年で入門されて30年ですよね。30年やってこられてきていかがですか? 
                                 
                                吉・・・・恥かしい。まだ、自分はこんなんか・・・って。役者は一生修行って言われるけど・・・まだ30年ですね。 
                                 
                                Q・では60歳になったら、ある程度、自分の目標に近いものが完成されていると考えられていますか? 
                                 
                                吉・こんなこと言うといけないのかも知れないけど、あんまり目標なんて持っていない。与えられた役を精一杯していきたいと思うだけで・・・。それをしていくことが、次、与えられた役の何かになっている、その繰り返しで成長していけるのと違うかなと思います。でも、ただ演っただけでは駄目と思う。苦しんで苦しんで演ったものこそ身に付くなと思いますね。 
                                 
                                Q・自主公演というのは、それプラス自分で自分に課題を与えるということですか? 
                                 
                                吉・そうですね。せっかくさせて頂くのですから、してないことをして、引き出しを作りたいです。 
                               
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