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アーティストからのメッセージ〜Part.2 ピアノ/萬谷衣里

今年度選ばれたアーティストから皆さんへのメッセージをお届けします。
Part.2は、最年少の21歳で選ばれたピアニスト、萬谷衣里さんです。今回選ばれたアーティストに共通して言えるのですが、彼女もまたテクニックよりもむしろ表現を伝えていけるピアニストを目指していることで、その表現力がオーディション参加者の最も多かったピアノソロの中から選ばれる際に選考委員に高く評価されました。
 今は東京芸術大学の3回生。将来の楽しみなピアニストです。

 今回、大阪AISの支援対象者に幸運にも選抜され、生まれてから7年間を過ごした思い出深き大阪市に“戻って”こられたような気がしています。
まだピースが散らばったままのパズルのような、完成もせず、崩すことも出来ない現在の私を、より多くの方に知っていただける機会を与えて頂けたことに感謝致しております。
音楽の持つ素晴らしさなどは、いくら言葉を尽くしてみたところで、体感する感動以上のものは出てきません。音楽を語るより、音楽が演奏され、伝達され、受け取られる場所が増えることが一番なのではないでしょうか。玄人・素人などあって無いようなものです。演奏者が素人だと困りますが、聴く者には聴き方など課されてはいないのですから。どう感じたか。自分の直感だけが頼りです。私は一人のアーティストとして聴かれることでしょうし、そう在りたいと思っています。そして皆様に自由に感じて頂きたいのです。
 クラシック音楽に限らず、ロックでもポップスでも、メッセージのあるものなら何でも、人を突き動かす力を持っています。喋らない絵画の前で何故人は立ち止まるのか。秘められた伝言を聞こうとして耳を澄ませたら、きっと聞こえてきます。そんな音楽、芸術の見えない力に触れた時、私は自分の存在すら消してしまいたい衝動に駆られてしまうのです。
音楽を幹に、枝分かれした興味の対象にも水をやりながら、自分を作りたい。そんな風に考えています。
どこまで行っても夢は帰ってきます。
音で彩られた空間を皆様と共有出来れば幸いです。

萬谷 衣里

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