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「4回のリサイタルを終えて・奥田直美&三橋桜子」

振り返ると、オーディションからの約8ヶ月、あっという間に時が過ぎたように感じます。偶然TVを観ていた母から、このオーディションの公募を走り書きしたメモを手渡されたのがきっかけでした。その月の初めまで、チェンバロの三橋さんと一緒に、ヨーロッパの各国を演奏してまわっていたので、審査のテ−プもヨーロッパの教会の響きをそのままおさめることが出来ました。そして、一緒にオーディションを受けたのですが・・・。

控え室は参加者で埋め尽くされ、いろいろな音で溢れていました。その中で、リコーダーの音をポ〜っと出した時の周りの一瞬の静けさがなんとも言えませんでした。よく知っている楽器の音であっても、まさかこんなところで?っと言ったような感じでしょうか。音楽を専門に勉強してきた人たちの中でも、リコーダーやチェンバロといった古楽器の音は、新鮮な響きとして受け取られたようでした。

私達の演奏会は、大阪AISシリーズの中でも1&2月に行なわれたこともあり、なんだか随分前の事のように思われます。新年早々の演奏会は、スタッフ一同、他のアーティストの方も本番当日へ向けての準備や体調管理、集客等、様々な面で普段以上に大変だったと思います。もちろん、演奏会ごとにそう言ったことには気を遣いますが、大変であればその分、公演を無事終えた時の歓びと安堵感は、なんとも表現しきれないのではではないでしょうか?そうした中、今回の公演では、終演後の観客のみなさまからのアンケートによる激励も多くいただきました。初めて私達の演奏を聴いてくださった方が多かったのはもちろん、「まったく初めて」リコーダー&チェンバロの演奏を聴かれた方も意外と多く、今回のひとつのテーマでもある「音楽家と聴衆の新しい関係」という新しい出会いに歓びを感じています。

やっと始まったばかりの大阪AISシリーズですが、これから私達の音楽を通じての数多くの出会いを楽しみに、そしてもっと演奏者と聴衆のみなさまとの距離の近いステージ作りができるように、がんばってゆきたいと思います。

これからもよろしくおねがいします!

奥田 直美
                                    


 

大阪都市協会をはじめ、AISシリーズの演奏会にご協力頂いた方達、演奏会にいらして下ったお客様に本当に感謝しております。ありがとうございました。

今回のシリーズを通して、テレビ取材など初めての経験もさせて頂き、忘れられない演奏会となりました。

私達が専門としている古楽の分野は、一般の方達にとって、触れられる機会が多い方ではありませんし、なかなか踏み込みづらい世界なのかもしれません。演奏会の後に書いて頂いたアンケートにも、ポピュラーな曲を演奏してほしい、という要望がいくつかありました。私達もプログラムを考える際に、グリーンスリーブズや調子の良い鍛冶屋など、誰もが耳にしたことのある曲を選びましたが、そういう音楽が古楽のレパートリーに少ないのも事実です。特別な分野を専門としている私達にとって、どれだけ一般の方達に古楽に馴染んで頂くか、古楽の演奏会に足を運んで頂くか、楽な気持ちで聴いて頂くか、が大きな課題だということが分かりました。これからも演奏会に臨む時は、お客様の気持ちを考えていきたいと感じています。

実際、AISシリーズの演奏会もそうでしたが、古楽器の演奏がお好きな方はもちろん、初めて聴いてみてとても喜んで下さる方が多いようです。そういう意味では、今回大阪市のアピールで、多くの方が古楽を知るきっかけとなり、私達もまたその方達と出会う機会を頂き、意義あるものとなりました。これを通して、また新しい出会いがどんどん広がる事を願っています。
これからもご支援、どうぞよろしくお願い致します。

三橋桜子

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