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「コンサートを終えて」

本日(2004.10.31)今回のAISコンサートの第1弾、宮西央子(ソプラノ)&高田剛志(チェロ)が無事終了しました。そこで、演奏終了直後のお2人の楽屋を直撃して、インタビューをしてきました。

まずは宮西さんの楽屋から。(M=宮西・I=筆者)

I:お疲れさまでした。今日のコンサートはいかがでしたか?

M:おもしろかったです。ホント楽しかったです。違った分野の音楽家と舞台上でのセッション感が心地よく、緊張感や「お〜そうくるか」といった意外性があって、いい意味でのスリリングさを楽しめました。

I:では、今後もこういったコンサートはやってみたいですか?

M:いいですね。他の方ともぜひやってみたいですね。お客さんの反応はどうだったのでしょう?

I:お客さんにもインタビューをしていて、log上にレポートとしてアップしますので、是非ご覧になって下さいね。

M:反応や感想を聞いてみたいので、楽しみにしています。

I:では、来年3月の次回の公演なのですが、それについて聞かせて下さい。今度はお1人でのコンサートですが、どのようなコンサートにしたいですか?

M:私は、今回が阿倍野区民センターでの初めての公演だったので、リハーサル・公演を通じてホールの感触を探りながら、次回の公演のことを考えていました。次回は歌曲を中心にしたプログラムを考えていたのですが、このホールはとても歌曲をじっくり聴かせるのに向いているので、腰を落ち着けて、歌曲に取り組んでいきたいと思います。

I:具体的にはどのような内容を?

M:いろんな国の言葉の歌曲を思い切って取り入れようと思っています。言葉の持っている響きの色を表現していきたいと思っているので、様々な情緒を感じてもらえるのではないかと思っています。今は語学も含めて勉強中です。

I:最後に、近々ご出演の公演で、特に力を入れている公演があれば教えてください。

M:11月26日に西宮プレラホールでロッシーニのオペラ「シンデレラ(チェネレントラ)」の意地悪お姉さん役(クロリンダ)で出演します。その次の日はオペラ「ドン・ジョバンニ」のチェルリーナで初めてのびわ湖ホールです。

I:コンサートシーズンですのでそれ以外にも連日公演が続くと思いますが、お体に気をつけて頑張ってください。どうもお疲れのところありがとうございました。

続いて、コンサート終了直後の高田さんの楽屋を訪ねてみました。(T=高田)

I:今日はお疲れさまでした。今日初めて宮西さんとのコンサートでしたがいかがでした?

T:とても楽しかったですよ。みんな自分の領域以外の音楽家との公演はしてみたいと思っていると思うのですが、実際にやってみるとなると、時間や労力の面でなかなか実現することは難しいと思うんですね。今回こういう機会で実現することが出来たので、これをきっかけに僕も宮西さんもお互いに興味を持って行けたらいいですね。

I:宮西さんもそうおっしゃっていました。いい面もたくさんあったと思いますが、逆に苦労した点はありましたか?

T:歌詞の意味まで突き詰めていくのにはやはり時間かかりますね。器楽同士の演奏と違って、歌ってのは全然違うので、より深くお互いが理解し合うには、(一緒に合わせる)回数を重ねていくことが必要でしたね。私にとっても歌の人の息づかいは勉強になりますし、おそらく宮西さんにとっても、弦楽器の独特の弓遣いなどに興味を持つきっかけが出来たことは、オーケストラの中で歌うとき等に役立つ経験になったのではないでしょうか?

I:高田さんは昨年度から数えて、阿倍野区民センター小ホールは2回目ですが、このホールはどうですか?

T:このホールは僕はとても大好きです。色々なホールで演奏していますが、このホールはチェロの響きが自分で感じられるのでとても演奏しやすいです。僕の演奏の目標の一つに「時間を遊ぶ」って事がありますが、このホールはそれが実現できるホールだと思います。

I:そうすると、もちろんどこで演奏するときも皆さんに聴いて欲しいとは思うのですが、ここでの高田さんの演奏はおすすめの公演ですか?

T:100%そうです。

I:12月もありますし、2月もこのホールですね。

T:はい。僕自身もこのホールでの公演を楽しみにしています。このホールは客席が多すぎず少なすぎず、演奏家の息づかいまで感じられるホールだと思うのです。演奏をしている側にとっても、お客さんの反応を感じるのに適当な大きさで、いい演奏をしたときにはお客さんがにこやかになっていくのが、演奏していても感じることが出来ます。そのようになって頂けるように演奏したいと思っていますので、ぜひ皆さんにも聴いてもらいたいと思っています。

I:どうもお疲れのところありがとうございました。すぐ次の公演のために名古屋へ移動とのことですので、道中お気をつけください。

楽屋でのインタビューと同時に演奏会終了直後のお客様にもインタビューしてみました。
話し言葉のまま、お聞き?下さい

よかったよ。やっぱり普段生で演奏を聴きに行くことが滅多にないからね。若いときは時々いっとったんやけど、体悪くしてからなかなかいかれへん。(地元らしいご年配の男性)

いやよかった。私はね今日急にこの方に誘われて(お連れ様を指して)いや〜ほんとよかった。ありがとうございました。やっぱり3人さんのコントラストっていうかね…私もよくコンサートは聴くんですけど、こんなん初めてで…30分ほど前にこの人に誘われて、「いや〜近いから寄せてもらうって」……(海外旅行帰りのご婦人)

チェロの方ね、前に聴かせてもらって、それからずっと来させてもらってるんですよ。今日は3人のね、演奏すばらしかったわ。ソプラノの方は日本語の歌を歌って下さったのが、親しみがあった。(ご婦人)

無理がなくわーっと広がる声がいいね(コーラス経験のあるご婦人)

どの曲も大変よかったですね。特に宮西さんのソプラノのきれいな声と、チェロの低音の官能的な響きと、それからピアノのしっかり支えているアンサンブル、とてもすばらしかった。また聴きたいです。(ご年配の男性)

も〜すごく感動しました。今までね、こういうきっかけがあんまりなかったのでね。今日聴いて、また聴きたいなと。また、時間の許す限り来たいと思います。(地元らしいご婦人)

当日受付で回収したアンケートにはこのような感想がありました。

・ 宮西さんの歌にはやわらかさ、言葉の聞き取りやすさ、きらびやかさがあります。高田さんのチェロには、あたたかいぬくもり、躍動感、大きな器を感じます。お2人とも安定した音楽性に満ちてらっしゃいました。
・ あえてソプラノとチェロの組み合わせを選んできました。演奏者の「チェロを歌うように」との生の苦難の声を聞け、感銘を受けました。
・ 宮西さんのドイツ語の発声が固くなく、とても女性や心の内面を表現していて、大変すばらしい。
・ プログラムの訳詞はドイツ語も並べて表記して欲しかった。ホールはこれ以上大きくならない方がよいと思います。奏者との距離感や、音の届く感じがちょうどよいと思います。
・ うるおいのある生活には音楽(芸術)は欠かせないものと思っております。心が洗われます。良心的な料金で聴けるのが嬉しいですね。今後も是非参加したいと思っております。

また、アンケートには昨年同様周知広報についての意見が多数寄せられました。予算の許す範囲で昨年度に比べずいぶんと強化しているのですが、広くこの事業が浸透していくには、まだ時間が必要なようです。
また、長い間、本事業を継続するように励ましの声も多数いただいております。御来場回数の項目ではすでに昨年度から5回目といった御来場回数の方もたくさんいらっしゃいました。

今回の公演レポートの最後を、お願いごとで締めくくるのは心苦しいのですが、本当の魅力を伝えていくことが出来るのは、感動を共有して頂いた皆さんの「口コミ」で、それが一番「濃い」情報を周りに浸透していく力になると思っています。お越しになったお客様で、演奏に共感していただいた方は、是非周りの方に、皆さんの主観で感じた「何か」をお伝え頂ければ幸いです。

担当ディレクター 井内純一郎

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