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「録音審査って・・・」

 先日、今年度の大阪AISのオーディションが開催されましたので、今回は珍しくお客さんのことではなく、音楽家に向けてのメッセージを書いてみたいと思います。
「録音審査」。音楽家のオーディションをする場合、全員生の演奏を聴くことが出来るのならば、一番理想的なのですが、現実的には多くのオーディションでこういった一次選考がなされる場合が多く、大阪AISも例外ではありません。
 私は、選考委員用CDを作成するために到着した全ての録音を耳にしていますが、この録音審査用録音というのは、実に様々なものが届きます。デモ用に作成されたCD、演奏会の会場で録音されたもの、スタジオ録音されたもの、自宅で録音したもの、等々・・・
 正直に言うと、オーディションの為に出す録音とは言い難いものも少なからず届きます。私はその方面に詳しくないのですが、モデルのオーディションを受けるのに、自宅で普段着で撮った写真をつけて出す人は、おそらくほとんどいないであろうと思われるので、録音については無頓着な人が多いのかと思ってしまいます。
 オーディションによって色々な制約が課されることがあります。今回のAISオーディションでは、半年以内の録音であるということ、10分程度の録音ということの2点が条件となっていました。また、オーディションのことを知ったタイミングが、明日締め切りって時にたまたま案内を目にすることもあるでしょう。その時その条件にあった録音を持ち合わせていないかもしれません。
 しかしながら積極的にチャンスを探している音楽家であるならば、たまたまオーディションの条件にあわないことはあるかもしれませんが、なにかしら録音物を用意していても損はないのではないでしょうか?もしかすると今日会う誰かが、あなたに機会をくれる人かもしれません。その時「私はこんな演奏をする人です」と言えますか?私は、仕事柄「これから」の音楽家に会う機会が多いのですが、そうやって何人かの人に会うたびに、新しいデモCDやテープが家に増えていきます。
 なにも高価な録音機材や専門のスタッフに録音してもらうことが良いことであるとは思いませんが、「自分の演奏の魅力を伝えることの出来る」水準の録音を常備することは、大阪AISのオーディションの為だけではなく、音楽家としてやっていく上で欠かせない武器の一つになると思うのですが、音楽家の皆さんはいかがお考えでしょうか?
 
追伸:たいていの音楽系の大学などでは、卒業生へのサービスの一環として、学内の録音施設を安価で借りることが出来るようになっている場合が多いようですので、これを期に作っておこうと思った方は問い合わせてみてはいかがでしょう。もし作られるならば、大阪AISの対象となる年齢の音楽家の方なら、去年と今が同じ程度の演奏ということは無いでしょうから、1年に1度ぐらいは、新しいものを作るようにするのがいいかもしれません。

(井内純一郎)

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