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「コンサートを終えて(1/16)」

1月16日にすっかりおなじみになりました阿倍野区民センターでのAISコンサート第4弾、ピアノの萬谷衣里さんのコンサートが今回は大ホールで開催されました。

まずは、演奏会終了直後の萬谷さんへのインタビューをまとめてみました。

Q. 本日のご感想をお願いします。
A. 今回はとっても短く感じました。あっという間の2時間弱が過ぎてしまいました。自分の感じている時間と、お客さんが感じている時間がどういう違いがあるのか興味があります。一度は自分の演奏を客席で聴いてみたいのですが、それは出来ないので、いつも自分は自分なりに舞台の上で少しでも感じながら演奏したいと思っています。今日は自分なりに割合出来た方じゃないかなぁと思っています。
Q. 今日はベーゼンドルファーの290(インペリアル)を使用しましたが、いかがでしたか?
A. すっごく良かったです。リハーサルの時からピアノに対する不安感が全くなくて、本番も自分の出したい音がそのまま出せたので、とても信頼できました。
Q. お客さんの反応はどうでしたか?
A. すごく熱心に聴いてくださっているのがよく伝わってきました。特に長い曲では自分の集中力も心配なのですが、お客様の集中力もきれてしまうことがよくあるので、テンションを維持していることを共有することが、今も課題ですし、これからもずっと課題になっていくと思います。
Q. 今日は今までに比べると大きな会場でしたが、どうでしたか?
A. とても気持ちよかったです。大きいから不安だということは全然無いので、広々としているとそれだけ響きも良くて良かったです。
Q. 3月のプログラムの聴かせどころの様なものはありますか?
A. 今回は変奏曲がテーマだったのですが、次回は3大B(バッハ、ベートーヴェン、ブラームス)をテーマにしています。そのバッハから伝わる伝統を自分も感じながら弾きたいですし、皆さんにも感じつつ楽しんでいただけたら嬉しいです。ブゾーニ編曲のバッハなどでは、バッハが派手になっていたりとかで面白いかもしれません。ベートーヴェンも「悲壮」や「月光」に比べると「幻想」っていうのはあまりメジャーではないかもしれないですが、面白い曲ですし、私は昔からずっと好きでした。リストは自分でもそう思いますし、人からもよく私に合っていると言われるので、私らしさが伝わればいいかなぁと思います。

実はまだまだインタビューの録音は続いているのですが、萬谷さんからの感想などはこれぐらいにして、続いて恒例のお客様のインタビューです。

演奏者自身の体験が込められた曲目解説がいいですね。(30代)

ピアノやチェロは素人でも聴きやすく一般の人がクラシックに興味を持つきっかけになるので、是非またやってください。(不明)

深いクラシックファンではないけれど、コンサートで知らない曲に出会えてうれしいです。ずーっとクラシックのピアノを続けてくださいね!大学院でもがんばってね!(50代・女性)

物語が目に浮かぶようで夢の世界にいさせてもらいました。心に残る演奏を聴かせていただきありがとうございました。最後の曲(レーガー)で精神的な強さと内面の美しさを感じました。(40代・女性)

いつも意欲的なプログラムに挑戦され感心しています。今回もいろいろな様式を弾き分けるのは大変だったと思います。特に1曲目のハイドンと2曲目のラモーの対比が鮮やかでした。(40代・男性)

演奏作品の解説がさらに興味深いものでした。クラシックのことは詳しくはないので易しい解説はすーっと頭の中に入ります。欲を言えば萬谷さんの生の声も少し聞きたいなぁと思いました。(30代)

以前より音と表現のバラエティー、メカニック、曲の研究・・・様々な面で大変な成長をされたように感じました。スタイルを一歩確立され、本当に優れたピアニストになられたんだなぁと感じます。(30代・男性)

有名になっても年に1回は大阪でコンサートを開いてください。(30代・男性)

私はほとんどピアノの事は知らないのですが、曲紹介を見ながら演奏を聴くと、より深くその曲に関心が持てます。奏者が曲に対してどう感じているかを知った上で聴くのもおもしろいですね。(30代・女性) 

今回、お客さんからのアンケートには、曲目解説についてのご意見が多く寄せられていました。私たちも、ステージ上のトークや曲目解説などでは、なるべく一般的な知識だけではなくて、自身の体験や主観を交えて、「そのアーティストらしさ」をお客様に伝えたいということを、それぞれのアーティストにお願いをしているのですが、それがお客様に好意的に感じていただけることが多く、喜んでいます。
 今回のコンサートでは、舞台裏のトラブルで、休憩のタイミングが間違ってアナウンスされ、萬谷さんの意図していた所とは違う箇所で休憩が入ってしまったのですが、その時の落ち着きの取り戻し方は、22歳とは思えない熟練の音楽家のようでした。楽屋裏で、昨年度の4回のコンサートがいい経験になって、「今日も楽しくコンサートがしたいな」と思う余裕が出来てきたと語っていた萬谷さん。どんどん大物になっていきそうな気配です。彼女の次回のコンサートは3月13日(日)にクレオ大阪東で開催されます。

前後してしまいますが、次回は1月14日のショーケース&シンポジウムの模様もお伝えしたいと思っています。

(井内純一郎)

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