今回は先日2月13日にクレオ大阪南の多目的室で開催しました「親子で気軽にギターを楽しむ1時間」の終了直後に芳村雪さんにインタビューをしましたので、その模様をお伝えします。
このコンサートは「エーデルワイス」や「イエスタディ」といった子どもさんにもわかりやすい曲目がプログラムに組み込んで演奏されました。小さいお子さんを連れての親子でのご来場も多く、芳村さん本人の「じっとしていなくてもいいよ」との子どもさんへのメッセージ通り、走り回る子もいながら和やかなコンサートとなりました。
Q. |
どうでしたか? |
A. |
面白かったですよ。 |
Q. |
小さい子がたくさんいる環境での演奏って過去に経験はありましたか? |
A. |
子ども向けってのはやってないんですけど、ドイツで結構老人ホームに演奏しに行っていたので、それに似た感じですね。 |
Q. |
そうなんですか。老人ホームって基本的に大人なのでは? |
A. |
いや、走り回ったりとかはないんですが、耳が遠い方が多いので、小声で話しているつもりでも、結構大きな声で話してしまっていて、演奏している私にも変な話が聞こえてきたりするんです。そういう演奏活動を繰り返しているうちに、周りが騒がしくても集中できるようになりましたね。だから子どもさんが走り回っていたりしても、私は全然気にならないですね。 |
Q. |
子どもさんに音楽を聴かせることについては思い入れのようなものはありますか?
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A. |
特に思い入れというのは無いのですが、今は子ども達や子ども連れで聴きに行けるコンサートってあまり数がないですよね。機会がたくさんあれば、そのうちどれかに行ってみようかという事も出てくると思うのですが、今はそういう状況ではないと思います。そういう意味で、もっと機会がたくさんあればいいなと思います。 |
Q. |
老人ホームとかで演奏する時もこういうプログラムを組むのですか? |
A. |
いえ、向こうでやるときは、今回のように映画音楽とかはなしで、完全なクラシックだけです。声をかけられた時からクラシックだけで演奏しますと伝えます。ポピュラーなプログラムを組む事を期待される時は、他にそういうのが得意な演奏家がたくさんいるので、別の方にお願いしてもらっています。だからバッハとかばっかりですね。 |
Q. |
たぶん日本ではそれはしんどいですよね。 |
A. |
そうかもしれない。 |
Q. |
やっぱりベースに持っているものが違うんではないでしょうか。ヨーロッパだと若い頃に大なり小なりクラシックに接していて、歳をとるまでほとんど聴かずに過ごしてきたって人はあまりいないでしょうが、日本だとそういう人も結構いると思いますし。 |
A. |
こっちで歳をとるまでに1回は演歌を聴いたことがあるかってのと同じような感覚かもしれないですね。 |
Q. |
そうですね。箏なんかの邦楽でも、「邦楽聴きます?」って聞かれて「好きです」って人はそう多くないかもしれないけれど、実際に演奏しているのを見ると、ちゃんと感覚の中に染み付いている。そんな風にクラシックが共通の感覚になっている国では、いきなりクラシックでも全然平気なんでしょうね。 |
A. |
そうですね。だからみんな知っているポピュラーな曲を聴きましょうってのが導入として必要なのかもしれないですね。 |
Q. |
実際今日は走り回っている子どもさんもいましたが、どうでした? |
A. |
私も小さい頃からコンサートには行ったのですが、自分で演奏をしていて、興味のあった自分でもやっぱり長い間座っているのはしんどかったりしたので、そのことを思うと、じっとしているのはしんどいと思うので、私は全然気にならないです。周りのお客さんも今日がこういう趣旨のコンサートだということを納得した上で来てくださっているので、こういう機会は面白いんじゃないかと思います。 |
Q. |
こういう演奏会はまたやってみたいですか? |
A. |
是非やってみたいですね。 |
Q. |
それ以外にもこういうお客さんに聴いてもらいたいっていうのはあります? |
A. |
クラシックギターって、「クラシックギターの演奏会良く行くねん」とか「聴きにいったことある」って人が少ないと思うので、初めてクラシックギターを聴くっていう人の前でなるべく演奏したいですね。そこで、私のやっている純粋なクラシックのプログラムを聴いてもらったときに、「これはいいな」って思ってもらえるか、「私には合わない」と思われるかは、人それぞれの音楽の好みがあるのでわからないのですが、まずは一度聴いてもらって、知ってもらいたいですね。 |
Q. |
ギターファンでない人にギターのコンサートに来てもらうための広報は、とても難しいのですが、頑張ってみます。 |
3月には萬谷衣里さんによる「親子で気軽にピアノを楽しむ1時間」を開催します。小さなお子様をお持ちの方にはぜひご来場いただいて、お子様(だけでなく、親御さんにも)にいい音楽を楽しんでもらえたらと願っています。