その内側にある三の丸の石垣の一部が、今も残っているのを知る人は意外と少ないかもしれない。市の中心部の新たな発掘調査は難しく、建築工事などの時でなければ、地下に眠っている遺構が発見される機会はなかなかない。それだけに幸運に恵まれて発掘された豊臣時代の石垣を訪ねる楽しみは大きい。石のかたちも積み方も、江戸時代とは異なる石垣の姿に、大阪城という歴史の遺産の原点が見えてくる。