船渡御は二手に分かれる。奉安船・供奉船は天神橋付近で乗船し、催太鼓を先頭に次々と出航、上流の飛翔橋でUターン。奉拝船は飛翔橋付近で乗船し、天満橋でUターンする。再び陸に上がるまでの約二時間、船団は華やかに川面を駆け巡る。ルート沿いの川辺や橋のたもとには鈴なりの見物客。夜空には奉納の花火が上がる。奉安船、奉拝船の他にも、ドンドコ船や人形船など船列の間を自由に行き交う列外船も、能船や篝船など船団には加わらず川中で停泊した船も、祭りの賑わいに欠かせない。神とともに渡御し水上を遊ぶ船と、それを囃したて盛り立てる船。巧みな演出が祭りを佳境に導く。
夜のとばりが降りるころには、最後の見せ場、宮入が始まる。催太鼓を皮切りに次々と各講社が上陸。大阪天満宮の境内は、太鼓、囃子、踊りの渦。鳳神輿、玉神輿がしんがりに宮入するのは二十二時過ぎ。見物の人波もようやく引き始める。そのころには本殿で、還御祭の神事が行なわれ、祭りの幕が下ろされる。
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