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+ かよん

未知の街ー大阪ーへ… “かよん”がおくるとっておきハコ物語。

ここ最近、雑誌でも特集が組まれるほど、
本が密かなブームになっているこの時期に、なんで閉店? ・・・素朴な疑問だった。
理由は、お店のこれまでの経営事情とオーナーの意向だとのこと。
確かに、本といっても古本がブームなのだ・・・
あとは、みわたしてもonline shop も断然増えた。

とにかく、初めて来たばかりのジブンでも、ココのお店の存在の重要さは一目瞭然。
東京ではアートや洋書専門の本屋さんは何件か思い当たるが、
あまりよく知らないが、大阪にこういった本屋さんは他にないのではないか?
カフェコーナーでお話を伺っている中、
セール期間=洋書が50%ディスカウントとあって、
次からつぎへとこの“穴ぐら”のような立地にあるショップに
主に20〜30代の若いお客さんが途切れることなくやってきては
黙々と熱心に本を選んでいる。
男女比率は半々くらいに見受けられた。
実際の購買層は、20代、女性の方が少し多いそうだ。
店名の由来をお尋ねしたところ、実は濱田さんは
“アンダーグラウンド××”と命名したかったのだそうだ。
どこかに潜んでいる・・・という意味合いの。
そのアイデアは却下されたらしいが、でも現実にココはそんな場所になっている。
お客さんも、最初は口コミか自分で探し当てて来る・・・

今回、濱田さんにお会いできて
book cellar amus=商店 カフェ ギャラリー イベント企画etc.
amus arts press=出版企画(印刷・製本・編集etc.)流通(国内外)版権交渉etc.
といった、おおよそ出版に関する全てに携わっている立場でのお話が伺えて
本当に有意義だった。
出版業務の方は、よく知らなかったのだが
主に美術書というジャンルのもので海外セールスを念頭にし、
日本や大阪発で、アーチストをサポートするという任務も担っている。
amus arts pressの出版物は、主に英語表記でビジュアルメインだ。
販売先は、主にアメリカや欧米、洋書の仕入先の出版社等は
言語の問題(英語表記のもの)もあって、欧米、ドイツ等々・・・
業界は違うが、ジブン自身、規模の大小を、濱田さんに比べると
キャリアはまだまだ浅い(10数年)が、映画に関する業務は
大まかにひととおり経験し、海外セールスのことも見知ってはいるので、
お話を聞くと色々状況がダブってきてそれと照らし合わせて
諸事情を想像しながら、すごく納得できた(と思う)。
製作、企画、制作、配給、興業・・・
こういった規模での出版業務は、独立系プロダクションや
ミニシアター系の映画の配給に似ている。
東京はともかく、地方だと流通はなかなか難しい・・・
それを一体どうしたら? 
まさにジブンにとっても当面の問題でもあり、勝手ながらも共感できた。

伺いたいお話はまだまだあったが、大体のところで切りあげ、
やはりいちお客さんとして、店内をざっとみた。=ホント雑なジブン・・・
欲しかったフライヤーもいただいて、
買いそびれていたアート・アニメーションに関する雑誌や本を買った。
こういったものは、あるところにはあるのだが、
お店がなくなるとなれば、いつまたどこで入手できるかわからない。
また後で、かなり旧い貴重本を見つけてしまったのでこれも購入した。
久々の書物への投資!
お金もあんまり持っていなかったので欲しいモノはチェックして
もう一度、開店中に来たい(必ず来る!)と心の中で誓った。
しかし、セールが始まってまだ日も浅く、そうするうちに・・・
本も日増しに減るだろう。
次に来た時は、本棚はもはやスカスカかもしれない。

お話し中も、思わず直接「ザンネンだ」とコトバで漏らしてしまったが、
ジブンなんかは、来たのが初めてでまだこんなことを言える程でもない。
その思いは、誰よりもスタッフの方々、そして4年間の中
利用してきたお客さんが、痛いほど感じていることだから・・・

大阪の情報発信の場が、ひとつ消える・・・
また何かの形で、ココで培ってきたモノが芽を出せばと期待しつつ。

濱田さんは、お店を閉めた後は、しばらくamus arts pressを続けた上で
ふたたび別の場所で編集のお仕事に携わっていくそうだ。
お店をやってきたことで、実際に本を手にとるお客さんと会え、
コミュニケーションできたことがとてもよかったとおっしゃられた。
おそらく、お客さんの顔を思い浮かべながら
この先も編集業務や本に関わっていかれるのだろう。

オンラインじゃできない、顔の見えるやりとりができる場所
“ハコ”ってそういうところだ。
ジブンの興味の範囲だけじゃなく、
隣に並んでいる本や色々な情報にふと偶然出会える場所・・・

少し歩いて行ける距離にあったので
もうすぐ1周年を迎えるチャクラに寄ってご飯を食べた。
ちょうど、チャリティに関する写真展とライブのイベントをやっていた。
「カレーがね、かなりバージョン・アップしたのよ〜」本当に美味い!

半年近くご無沙汰で、久々にあっちゃんに会って話をした。
その日のbook cellar amusさんのお話を少しすると、
「お店をするって大変よ〜」と即答だった。
チャクラも、ジャンルは違うが飲食と物販とイベントの数々・・・
やっと実際に“ハコ”を構えて1年、やってみてからこその本音だ。
「洋書ってね、実際に購入する方は業界のお忙しい方々が多いから
 私の知っている洋書を扱っている業者さんは、宅配やってるよ・・・」

なるほど、需要と供給・・・なかなか深く外せないポイントだと思った。

 

※以下、HPインフォメーションより転載

 

amus arts press(アムズ・アーツ・プレス)は、
美術書専門店book cellar amus(ブックセラーアムズ)から生まれた出版社です。
amus arts pressでは、時間と場所、そして言語を超えてつうじあう
ビジュアルアートに主眼をおき、今日的な視点を加えた出版物を企画、
大阪から世界に発信していきます。

 

※HP、美術図書目録より転載

 

☆デザイン
Naef Design ネフのおもちゃ/クルト・ネフ 柏木博
グリコのおもちゃ箱/加藤裕三ほか
干支の本 Chinese Star Sign/奥村昭夫
IBM Design from Japan/山崎和彦
三木健 Selected Works 1994-2002
川上元美 Design with Presision and Flexibility
喜多俊之 Soul of Design
黒田泰蔵 White Porcelain

☆アート
IMAGE CLUB/都築響一
HAND TOOLS フィリップ・ワイズベッカー
横尾忠則 Selected Posters 116
踊る金魚/田名網敬一
Blow Up/田名網敬一
鰭の痕跡/安井寿磨子

☆写真
LimeWorks/畠山直哉
種子の系譜/福田匡伸

☆建築
Paramodern/遠藤秀平
Steel Sheet House/木村博昭

☆ライフスタイル
Symphony of Wine (イタリア編)/福田武
Symphony of Wine (ボルドー編)/福田武
Cosy English Garden/佐藤啓子

☆グリーティング・ブック
村本まきこ/出会えてよかった あなたの生まれた日 すてきなおはなし
寺門孝之/ ON! Happy Birthday Happy 寿 Wedding   
ようこそ new baby!  色色のおめでとう ココロのメリーメリークリスマス
ヤブウチヒデミ/Mama with all myheart Papa with all myheart
nakaban(ナカバン)/ハッピーバースディ

☆ポストカード・ブック
やなぎみわ/Midnight Awakening Dreams
木村友紀/Yuki Kimura
W. ティルマンズ/Wolfgang Tillmans
ラングランズ&ベル/Langlands & Bell
日下部一司/Classic Photographic Printing
寺田真理子/"Circles" 
ホンマタカシ/Aero-Photo
東恩納裕一/Untitled
松永真/Paper Freaks
伊坂芳太良/The Visionary Painter Called PERO

 

ブックセラーアムズは、2003年10月末日をもって
閉店させていただくことになりました。
1999年10月のオープンより4年間、
ご愛顧いただきましたお客様、
ならびにイベントや展示にご協力いただきました皆様に、
スタッフ一同厚くお礼申し上げます。

1999.10.1 open! DM
amus arts press fall/winter 2001
美術図書目録
amus arts press fall/winter 2002
99年12月横尾忠則展
00年3月大西みつぐ展
00年2月日下部一司展
00年6月勝本みつる展
99年11月杉本博司展
00年8月ネフのおもちゃ展
01年1月西本聡二展
01年4月ホンマタカシ展
田名網敬一関連の展覧会
00年10月寺田眞理子展
02年4-5月グリコのおもちゃとからくり展
02年2月島尾伸三展
02年12-03年1月フィリップ.ワイズベッカー展
02年7月草間彌生展
02年8月佐内正史展
02年9-10月宇野亜喜良シネマ展
02年11-12月畠山直哉展
03年1-2月[display] Enlightment
03年4-5月沼田元氣展 
03年5-6月花森安治と暮しの手帖展
03年7-8月チェコ.アニメ.ポスター展
03年4月Philippe Weisbecker個展
'03.4/15-24 京都.gallery coco
'03.4/18-23 東京.ROCKET
03年8-9月松岡正剛展
03年9-10月鬼海弘雄展
Architectureコーナー
洋書が並ぶ
グリーティング・ブックの数々
濱田さんと福本さん
閉店のお知らせDM
表&裏
北浜から帰路に
難波橋 ライオン像下にて
夜景が綺麗...
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