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+ 山下里加
+ 小山田徹(こやまだとおる)

1961年生まれ。京都府在住。1984年、京都市立芸術大学在学中にパフォーマンス集団、ダムタイプを立ち上げる。
主に企画構成、舞台美術を担当。国内外での公演多数。
1992年、コミュニティセンター“Art-Scape”を運営。
1994〜96年、“Weekend Cafe”を運営。
1998年、コミュニティカフェ“Bazaar Cafe”の立ち上げに参加。
2000年、ダムタイプでの活動を休止。個人活動を開始。
2001年、共有アトリエ T-Room の立ち上げに参加。山口情報芸術センターのプレイベントとして、市民との協働プロジェクトを開始(現在も継続中)。
2002年、『Beautiful Life』展(水戸芸術館)出品。
2003年、『ガーデン/山荘の時間』展(アサヒビール大山崎山荘美術館)にて、連続ワークショップを開催。

11/23(日) 3:44AM from山下 猫道にも裏側にも大切なことがいっぱい

藤野友衣作品の裏側
『図鑑天国』出品者のひとり、藤野友衣の制作物を裏側から撮影。『図鑑天国』とは、山下里加が企画し、小山田徹が会場設営した展覧会。現代アーティスト、知的障害のある人、建築人類学者などが8名が参加し、11月10日〜23日に大阪成蹊大学芸術学部内ギャラリーBで開催された。

 

小山田徹さま
山下里加です。

「猫道を通って日記を届けに」
交換日記のお相手を引き受けてくださってありがとう。

なんだか、もはや、締め切りが過ぎているのですが、ゆるゆるとはじめてゆきます。
(編集部さん、ごめんね)

デジカメ写真と文章の交換って私が言い出したんですが、いざ「撮るぞ!」と身構えると、なんか変にプレッシャーになっちゃって、あきまへん。
自然なように、でもカッコイイように、って考え込んで、ぐるぐる回ってしまう。

うーん、もう、「自然体」はあきらめて思いっきり今の大事なものにしよう!
というワケで、私からの写真は、「藤野友衣さんが描いた人物画の裏側」です。

何もかもが印象深い『図鑑天国』だったけれど、
なかでも、藤野友衣さんの小学校の担任だった普久原佳子先生が
沖縄からわざわざ来てくれたのには驚きました。
うれしかったし、思い出すたびに切ないような気持ちにさえなります。

友衣ちゃんの絵は、キャンバスでもなく、キレイな画用紙でもなく、学校のお知らせプリントなどの裏側に描かれている。普久原先生がその時々で渡した紙だ。
子供の落書きとも言えるそれらを、先生はちゃんと保管しておられた。
十年近い年月が過ぎて、それは沖縄から長岡京市にやってきた。

大切なことは、学校のお知らせプリントの裏側にも起こっている。

そのことに気づいた人がいた。
気づく人は、親でも、家族でも、家族ではない者でも、
かまわないのだな、と思う。
それは、ちょっとほっとする。

私も誰かに気づかれるだろうし、誰かに気づくことも出来るだろう。
そう思うと、光がすーっと背筋に通っていくような感じになる。
それから、かつて私は気づくことができず、失ってきたことも、
いつか、別のカタチで気づかれ、埋め合わされるのかもしれない。
たぶん、ね。

『図鑑天国』も明日で終わり。
なんだか泣いちゃいそうです。

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