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SUMISO1 |
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SUMISO2
写真手前が道頓堀通り、奥は立花通り |
(II)SUMISO
http://cb-jp.com/sumiso/
【立地】
西区南堀江の道頓堀沿いに位置する。若者向けのブティックや飲食店が並ぶ立花通りよりも南側にある。これら二本の道の間には、さらに一本平行して道が通る。栄えつつある堀江地域とは、こういった関係にある(また、道頓堀沿いの道をより四ツ橋筋側、東に向かって歩いて行くと、KANSOという、安く飲めて、しかも大量の缶詰がストックされたお店がある。SUMISOを出て一杯飲むのにちょうど適したところに位置する)。
【建物】
住友倉庫の所有、住倉興産の管理である。二階建て倉庫の二階部。古いトタン張りである。内部は広大。ここがギャラリー(個展であれグループ展であれ)およびパフォーマンスやシンポジウムのためのアートスペースへと転用された。元倉庫なので頑丈な造りであり、かつその広大さからしても、どんな作品展にも融通がきく。音楽、パフォーマンスなど、許容範囲は広い。自室で制作していた人が、いざSUMISOでとなると、空間が予想以上に大きく、そのギャップのせいで作品自体小さく感じることもある。それに驚く作家もいるとか。作家にとっては、作品製作だけでなく、展示スペースをもつくる、空間の使い方を学ぶ機会となる。天井の高さ、床の汚さ、使用の難しい空間である。この空間使用で悩んだら、別の、整った空間を使うに際し、楽に感じられるだろう。つまりは作品制作だけでなく、展示の仕方を学ぶ訓練にもなる。制作している隣で展示、ということもあり得る。制作シーンそのものも展示作品になる。制作と、展示の両方が、同時期に可能なスペースとして認知されたらというのが運営スタッフの願望である。
【出来た経緯】
アーティストの川端嘉人が、クリーン・ブラザーズ清掃プロジェクト(http://www.cb-jp.com/)を、1998年以来展開していた。それは、《日本では若いアーティストは、作品発表に際し、レンタルギャラリーを借りなければならず、また、美大等の卒業後に制作のための場所を確保するのは困難である。こういった条件下において、若いアーティストがうまくスペースを確保する方法は無いか》との問いに発する模索を経て後展開されるプロジェクトである。その仕組みは、簡略に述べるなら、アーティストが決められた場所の掃除を行い、その対価として制作・展示のための場所を確保するというものである。川端が堺筋本町にて、ビル(二箇所)管理の仕事をしており、そのビルで、掃除してもらい、その代価として、同じビル内の空き部屋を、アトリエ・展示スペースとして貸すというものが当初であった(98年スタート)。このプロジェクトと住友との共同事業として、SUMISOが始まる。すなわち、クリーン・ブラザーズ構成員のアーティストが、住友関連の建物を清掃管理する仕事の対価として、倉庫の二階を制作展示のためのスペースとして使用するといった具合に。クリーン・ブラザーズの展示会は、年二回。展示、アトリエスペースに、SUMISOを使わせてもらう。掃除は、住友関連で回してもらう。掃除は、SUMISOでなく、別の場所(大阪築港赤レンガ倉庫、USJスタッフ宿舎等)にて行う。清掃日数は、一ヶ月あたり3から4回。午前八時半から午後4時半。(午後12時から1時は休憩)
【運営】
経理・施設の運営は、住倉興産による。運営・企画はクリーン・ブラザーズによる。基本は貸しギャラリーである(料金設定は安め)。SUMISOは、貸しスペースであり、ある程度の採算を見込む。マネージャーとしての小野千晶が、主に運営を任される。レンタルスペースとしてのSUMISOで、若い人のネットワークを広げるサポートに専念するのが、マネージャーの立場。作家の売出しを主なサポート業とする、コマーシャルギャラリーとは違うサポート。かつてマネージャーは、一年半、アーティストが兼任していた。その後、作り手で無い人(小野)が専任となる。運営に専念出来るのがメリットである。使用アーティストに関しては、小野が会話する中で、ピンと来た人を優先。
(なお、住友倉庫は2000年9月、「海岸通ギャラリー・CASO」を開設。これは、築30年の鉄骨造の倉庫を改修したものであるが、SUMISOをこれに先立つ動きと位置付けることも出来るだろう。) |
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