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 2日目は6時から『殺生石』と『邯鄲』。
 短い休憩をはさんで、2番続けて。
 そのあと、ビデオチェック。

『殺生石』。今日はワキは不参加。ワキのところは後見が謡う。

シテの浦田保浩さん。小鼓と大鼓は、本番は床几にかけるが、稽古や申合せは正座。

大鼓は、普通本番以外は道具を使わないが、今回は全体的な音のバランスも検討したくて道具を使った。一畳台も、台掛(だいかけ)はかけず、むきだしのまま。本番では石の作り物の中にいる場面。

山本能楽堂の橋掛り。

終わって、舞台の上で、まず気づいたことのチェック。

『邯鄲』。一畳台の上のシテ、味方玄さんの前にあるのが“邯鄲の枕”。本番は味方さん手製の枕を使う。

寝た瞬間。

一畳台の上で舞う〔楽(がく)〕。本番は台の四隅に柱が立ち屋根が付く。狭いところで広々と舞って見せるのがポイント。

これ、柱を持っているように見えるが、実は何も支える物がない…でも、ビシッと決まっている。

終わってチェック。

休憩中も細かく指摘し合う。

ビデオを見ながら。

笑っていても舞台の話だ。

お互いに思ったことを真っ直ぐに話し合う。

見入っている。

夜はどんどん更けてゆく…。

 終わって時計を見たら、午後11時を回っていた。
 細かいところまで、お互いの意見を言ってみる。
 ここではほとんど技術の話だ。
 でも、それは、何をどう表現したいかという大前提があってのこと。
 こういうのは、しんどくても心地好い疲れなのだろう。
 初日の『自然居士』の稽古の後、シテの上野雄三さんからメールが届いた。
 緊張感のあるとてもいい時間だったこと、技術や感性やいろいろな面で刺激を受けた興奮が、喜びとともに伝わってくるような文面だった。
 これなのだ。
 TTR能プロジェクトが目指しているものは。
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