log osaka web magazine index
 
 
ところで、今回の取材会場は、出版社のすぐ並びにあるリトルモア・ギャラリー。白い壁に高すぎない天井、現代風の落ち着いた照明、適度な広さで、ゆっくりと丁寧に作品に向かうことが出来そうだ。
取材時は、竹井氏担当の、中野正貴さんの最新作『SHADOWS』の写真展を200円の入場料で開催していた。関西では、この規模のギャラリーで有料ということはほぼ、考えられない。何か戦略が?

ギャラリーの開廊は、竹井さんのアイディアですか?有料制というのも?
「そうやね。ちょうど3年近く前にオープンした。浅野忠信の画集の展覧会をしたのが一番最初やったな。展覧会そのものは、他のギャラリーでやることもあるねんけど、画集の発行だけじゃなくて、自分のところで展覧会も、ってことで、浅野さんのを立ち上げ企画にした。」
「200円っていうのは別にこだわってなくて、タダではやりたくなかっただけ。ちゃんとお金とって、いいもんを見せたいと思った。だから、500円でも1000円でもええねんけど。とにかく、金をとる以上、下手なもん、見せられへんし。『なんやこれで200円かいっ!』ていわれんのか、どうか(笑)。
 やっぱりそれは、僕は勝負したいから。わざとやってることやね。仮に、お金をとらへんかったら、もっと人は来ると思うけど。ま、そこで勝負したい。実際、これくらいのギャラリーで金とってるとこ、どこもないと思うで。お金が欲しいんじゃないんですよ。それは勝負の仕方、というのかな。」

>> リトルモア・ギャラリー
 
見る側にも、勝負させていることになりますね。それは大阪的と言われやすいように思いますが?
「タダで見ると、点が甘くなりがちやからね。そりゃ、来てくれた100人が100人、満足して帰ってくれるか、それはわからへんけども。」
「それが大阪的かどうかは、分からへんけど、まともなやり方やとは思ってる。だから、全く普通のことやし。そのつもりでやってる。」
「値段のこととかで苦情を言われるようなことは、今までないなぁ。どう思っとるかはわからへんけどな。だって、実際目の前で、『俺のこと好きか?』ってきかれて『嫌い。』って言えるか?『ちょっと。』とか『良い人やねんけど』とかってなるやろ(笑)。」

>> 中野正貴氏作品
 
[ 5/6 ]