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そして3つめの出来事。
2年前の広島国際アニメーションフェスティバルが
animation soupが出来上がった最大のきっかけです。
学生の頃から、不思議なパワーで吸い込まれるかのように行っていた
日本最大のアニメーションフェスティバル。
ここには「フレーム・イン」という誰でも持ち込みで上映する事のできるスペースがある、という知識は得ていたものの、なかなか自分の作品を持ち込む事は
していませんでした。

しかし、「犬上映会」をする意気込みもあり、やっとこの年に初めて
広島へとテープを持ち込んだのでした。
そして、その年に限ってフレーム・イン会場が気軽に足を運べる場所に変更されていて、
異常なまでの盛り上がりをみせていたのです。
そこで出会った数々の作品、作っている人たち。
関西でひっそり潜んでいた人たちが、こんなにも沢山いたんだなぁ、
と興奮しました。
私の出身地は関西ではないものの、何かが弾けたのはこちらに来てから。
今まで、引っ込み思案で、人とも気軽に喋れない、趣味の合う友だちがいない、
そんな寂しい高校生だった私が、目の前でパチン!と手を叩かれたのは、
関西に来てからのこと。
関西にもこんなに素敵で頼もしい作品と作家がいるのであれば、
お腹いっぱいの上映会をできる!パチン!と再び、目の前で手が叩かれたのです。
そしてanimation soupが出来たのでした。

清家美佳「蛾のいるところ」
永田ナヲミ「注文の多い料理店」


結局、どんちゃん追悼上映会「犬上映会」は止まったままになってしまっている。
そしていつの日からか日野家にも新しい家族“さくらちゃん”がやってきた。
真っ白いどんちゃんが天国に行ってしまった白い冬が間もなくやってきて、
そしていつの間にかさくらちゃんの季節がやってくる。
「こんにちは、さくらちゃん。さようなら、どんちゃん。」
上映会を開催できるのはいつの季節なのかな....。

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