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上村「先生は本当に多くのところに舞の指導にいってらっしゃいますよね」

山村「この前は小学校の教室で舞いましたよ」

上村「へえっ?教室で・・・大変だったでしょう」

山村「うちの子供が突然に‘お父さん『浦島』踊って’って。‘『浦島』やったら友達にもわかるし’って」

上村「伝統教育の一環ですか?」

山村「最近、総合学習という授業があるのですが、その一環として、生徒のお父さんお母さんが持っている技術を披露し、興味を持ってもらうみたいな授業だったんですよ。あれは面白かったな。子供が純粋に食いついてきてね」

上村「子供たちは感性で受け止めるんでしょうね」

山村「今度ね、文楽の「舌切り雀」の振付をするんですよ。その指定は、子供が帰りに、踊りながら帰れるような振り(笑)」

上村「本当に幅が広いですよね。宝塚歌劇団と上方歌舞伎塾と文楽と高校生と・・・」
山村「あとは吉本だけやね(笑)、大阪の舞台芸術で行ってへんの。吉本だけやねんけど、誰か何とか紹介して」

上村「(笑)でも、あそこはダンスの授業とかはあるみたいですよね」

山村「そういえば、この前、大和屋におばあちゃん(山村流四世宗家)が振付けたという『モガモボ』の踊りを、今度は逆に僕が習いに行きましたよ。知ってる人に習っとかんとね」

上村「その踊りは大正期に作られたものですか?宝塚でみたようなチャールストン?どんな振りですか?」

山村「いや、物凄く和風やった。日本舞踊。全然はずみもせえへんねん(笑)。多分、あの時代の人が感じたものがそうやったんやろうね」

上村「江戸期は歩くときに、手と足が一緒に出てたというのは本当ですか」

山村「手を振るというのがないよね。飛脚は荷物持ってる。芝居(歌舞伎)の娘とかも、胸のあたりに手をあててるし、丁稚もこの辺に(お腹の前あたり)手を入れてるでしょ?」

上村「長刀とかもそうですね。それと、これは私の感じたことですが、東京で地唄舞というと『雪』のようなしっとりした舞を連想される方が多いようですね」

山村「そうやね。でも、お座敷から入った舞やねんから、遊びの入った楽しいものもや、おもしろいもんが一杯ありますよ。」

上村「『渡辺の綱やん』とか、面白いですものねえ。」


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