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アーツにスーツ、スーツにアーツ

まずはじめに、OBPアーツプロジェクトとは?

アートマネジメントを学びたい、その現場を知りたいという学生が非常に多いことから、そのような学生のためにアートマネジメントの実践の場を提供すること、そして大阪を代表するビジネス街であるOBPに、アーツの空気を吹き込むことを狙って、松下電器や松下グループの不動産部門である松下興産などによる芸術文化支援(企業メセナ)活動として、実行委員会形式で始めました。日本アートマネジメント学会関西部会の後援を受けています。スタートしたのは2001年10月。現在で10余りの大学が参加し、参加者、来訪者を合わせると、1年間でのべ3万人以上の人が集いました。

実際にどういうことをしているか−。美術ではエレベーター横のスペースやショーウィンドウ、出店交渉中で使われていない店舗などを利用して、学生たちの作品を展示したり。こうしたスペースを利用したものでは、映画の上映会や、詩の朗読会もありました。また、このツインビルの吹き抜け空間(h.18メートル, w.600平方メートル)を利用して、学生オーケストラのコンサートや、コンテンポラリーダンスの公演、大学の授業の出張講義などもしました。それぞれ、仕事で行き来する方々や買い物客も足を止め、楽しんでもらっているようです。

 

   
2002年2月
大阪教育大学 美術展示
2002年2月
大阪教育大学 美術展示
ポーランド映画上映会
学生運営スタッフ
     
立命館大学弦楽アンサンブルコンサート   立命館大学弦楽アンサンブルコンサート
   

このプロジェクトで大事なことは、企画、運営をすべて、学生たち自身が引き受けること。学生たちも部屋の管理、掃除からメンバーの出入りの確認等、全てのノウハウを自分たちでつくっていくところから任されるので、まずは、社会の一員としての自覚を築いていく、というところから始まります。つまり、明日のアートマネージャーの育成の場であるということですから、もちろん、ちらしの作成、展示効果、観客へのプレゼンテーションなどの現場の経験も積む、同時に、約束の時間を守る、といったごく初歩的なことから、大企業のビルを使用するわけだから、企業人とのきちんとした会話をするということまで、社会の中でアートを流通させていくための作法を学ぶ。つまり、実践の場であり、ある意味で教育的現場でもあるわけです。幸い今のところ、大きなトラブルはでていませんが、僕も相当の覚悟でのぞんでいるつもりです。

たしかに、お話をうかがいつつ見せていただいた会計報告書は、きちんと整理されて保存されており、また私がこれまで出会った学生さんたちも、礼儀正しく、しっかりした受け答えをしていた。

 

学生事務局
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