仕事は自分で作るもの!
世の中ではよく仕事がないって言われてたりするけど、仕事って自分で作るもんじゃないかなって。
私の場合は恵まれた環境にいたんだとは思うし、自分だけの力ではないんだけれど、自分のやりたいことが仕事になったというのが正直なところです。アートマネージメントという仕事がしたいとか、決められたものがあったというよりは、展覧会の準備に伴う様々な仕事をしながらいろんなことを経験していくうちに、また作品を見続けていくうちに、こんなことをしてみたいというのが出てきてだんだん離れられなくなって。そしてそれを実現するために附随してくることが、世の中で言われているアートマネージメントだったということなんでしょうね。目的のないところにアートマネージメントは発生しないんじゃないかと思うんです。もちろん、マネージメントは重要な仕事なんだけど、それだけ独立しては存在しえない。最近はアートマネージメント講座や大学でも授業があったりして、漠然としてでもこういう仕事がしたいという人達が増えてきてるんですけど、「こんな仕事をしたい」とか「憧れてるんです」って言われても??どう答えていいか分らなくて困ってしまうんですよ。例えば、今まで編集長として名を残している人達は、編集をしたかったわけではなくて、何か伝えたいこと、目的があって、それが本だったり雑誌というカタチになっていったんだと思うんですね。だから、妙にノウハウだけ知ってたり、スキルだけが高くても、何がやりたいのか伝わってこないんです。
現在進めているプロジェクトは?
もともと国際交流基金アジアセンターから派遣されて行なったアジアのアート・スペースのリサーチを通して興味を持ちはじめたんですが、日本と違って、アジアには大きな美術館はなくて、個人が投資してたり、アーティストが集まって運営していたりするオルタナティブなスペースしかないんですね。そういう組織やスペースを廻ってリサーチしたんですけど、こちらからも資料を準備していって、日本の状況など紹介する機会も何回かあったんだけど、どこの会場もすごいたくさんの人が集まってきて、熱心に話を聞いてくれて、いろんな質問が出てきたり。同じアジア圏と言えども、直接日本を知る機会がすごく少なかったようですね。将来的にはそれをさらに発展させて、作品を通じてまたはアーティスト同志、人と人が交流出来るような機会を持てたらいいなあと、準備をはじめてたりもします。まずは予算を集めてこないといけないんですけどね。
*『オルタナティブズ−アジアのアート・スペース』国際交流基金アジアセンターの編纂にも協力
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