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食堂という店名!?を持ちながら、「店」、「食堂」?なんてどこにもない南風食堂。実は、小岩里佳さんと三原寛子さんの2人による料理ユニット。様々なパーティーでのケータリングやワンプレート・ギャザリングなんていう、みんなでお皿を持ち寄って気持ちのいい場所でご飯を作って食べるイベントなどを主催している。グラフのメンバーは、とにかく自然体で気持の良い南風食堂の2人となんだかんだと理由をつけて「仕事」+「宴」を繰り広げる。僕たちが東京へ行くときにはホントにお世話になってます。

南風食堂を始めたときは、ずっと続けるなんて思っていなくて、その場限りだと思ってました。毎晩、毎晩、集まっては試作したり、試食したり…。ほんと部活みたいな感じで。でも、そのケータリングのお仕事のときに来てくれたお客様が、また別の仕事で声をかけてくれたりして、どんどん繋がっていって…。
南風食堂の2人と一緒にいると、とにかく、いつでもそこにはおいしい料理があるように思う。少し時間があったりして、器用に冷蔵庫の中にあるもので、ささっと何かを作ってくれるときもあるけれど、そうでなくても、ものすごくおいしい居酒屋さんへ連れて行ってくれたりもする。いずれにしても、僕たちの目の前にはいつもおいしい料理が並んでいて、おいしい料理を目の前にすると、僕たちの気持ちも自然と明るくなってくる。会話も弾む。そして、もちろんそこに流れる時間は最高に楽しいのだ。一期一会のひととき。

すごくいろいろなところに呼んでもらって、いろんな人とも出会って。やっと、自分たちが楽しむっていうことが仕事になってきた気がします。昨年の7月に本を出して、そのことによって『南風は、こういうことがやりたいんだ』っていうのがわかりやすくなったっていうのもあると思う。料理は食べると幸せになるし、自分たちもすごく食べるのが好きだし。人とか場所の間に料理があるっていう状況が自分たちには向いている気がします。
料理を作ることだけが目的ではなくて(もちろん料理もおいしいんだけど!)、料理を介して生まれる時間や空気っていうものを作り出す南風食堂。グラフも家具を作ったり、いろんなものをデザインしたりするけど、一番興味があるのは、僕たちが作ったものが使われる時間を作ることだと思う。そして、そこから生まれる物語。さあて、パソコンに向かっているのもこれくらいにして、おいしいもの食べて、おもしろい話をして、いい時間を過ごしに行こう。こんな時に、そこの角を曲がったとこにホントに南風食堂って名前のお店があったらいいのに、なんていつもの無い物ねだり。無いなら勝手に建てちゃおうかな。そしたら大阪にも来てくれるかな。

guest:南風食堂
南風食堂 graf