大阪現代芸術祭プログラム・芸術まちづくり事業の一つとして2003年からスタートしたBreaker Projectは、既存の美術空間、従来の展覧会では飽き足らず、様々な場面で表現活動を行う作家、藤浩志、伊達伸明、きむらとしろうじんじん、Franck
BRAGIGANDの4名とともに、大阪の新世界を拠点に活動を展開してきました。
日常生活の営みに潜在する創造力、表現の可能性を掘り起し、現代社会における芸術の在り方、「芸術と社会の生きた関係」を再構成するための実践であったこのプロジェクトは、少しずつではありますが、近隣の方々や参加していただいた皆様との関係をつくり、社会のなかにおける芸術の役割を再確認していく機会になり得たように思います。しかし、芸術はまちづくりや経済活性化の即効薬ではありません。芸術表現が日常と切り離されたものではなく、社会のなかで有効な活動となり得るには、こういった活動の継続が必須でしょう。伝統を守っていくとともに、新たな表現活動を育んでいくことで、10年、50年、100年後には、まちの財産となり、フィードバックされていくのだという長期的展望を持って、今後もまちづくりに関与していけたらと考えています。
2005年の3月をもって、Breaker projectは終了することになりましたが、2005年度はart schoolとして、子ども向けワークショップに注力し、事業を展開していきます。
尚、全プロジェクトをまとめたドキュメントブックを制作しましたので、興味をお持ちの方は是非こちらの方をご購入していただければ幸いです。
Breaker
project代表 雨森信 |