日々是ダンス。踊る心と体から無節操に→をのばした読み物 |
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<ほかとは違うなっていう意識ってある?>
アリ:なんか他とは違うなっていう意識ってある?
小山:地方なのに、ワークショップとかをいっぱいやってくれるのは、先生とかコーチが呼んでくれるという環境の良さというか、地方なのに条件が揃ってると思って、それを、機会があれば吸収できるいいところにいるんだろうなっていうのは思います。
田中:それから、僕らって‘へぼい’っていうこととかも特徴(笑)? ダンスはへたくそなんで。特に技術はないんですよ。
全員:ない(笑)。
田中:それ以外で勝負しなきゃいけないんで。
アリ:そこで、表現する時に何が出ればいいとかっていうのはあったりするのかな。人が受ける時に何が伝わればいいとかさ。楽しそうだったらいいかなぐらいの感じとか、あるじゃない? ものによっては完成度とか、こういうテーマが伝わればとかっていうところもあるやろうし。このフェスティバルってわりと宗教系のテーマが強かったりするようなものも多いけど、松山のは、すごい自然っていうか、日常生活っぽいままの延長みたいな……。
全員:おぉ、すごーい(拍手)!
アリ:僕が言うんじゃなくてそっちから言ってよ(笑)。そういう感じの、あるじゃない。なんか。
和田:テーマはあるんですけど、それをわーって見せて‘理解’してもらうんじゃなくて、自分たちの作品を観てくれた人がいろんなことを思ってくれたらもうそれで全然嬉しいし。
田中:題名は『サイトトレイン』やけど、別に電車に見れなくても全然僕ら的には構わなくて、何か見てる人の心が動いてくれたら、それでいいです。
マキ:動きましたね(笑)。
和田:今回のこの作品の場合だったら、本当に見た人の受け止め方は様々だと思うので、それで何か分からないけど面白かったとか、その中の一部でもよくて、あそこがすごい強烈に印象に残ってるとか、何かに見えたとか、いろんな受け止め方があると思っているので、僕らの中には核みたいなものはあるんですけど、それを直接伝えるというよりは、作品を介して、見てる人のいろんなイメージをふくらませてあげたい……、ん? わかんなくなってきた(笑)。っていうような作品になるようにやってきました。
(2005年7月29日 於:神戸GUSTO HOUSE)
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短い時間に、ほとんど「時間切れ!」な状態で上記のインタビューを終えました。松山大学ダンス部のみなさん、ほんとうにありがとう!
インタビューを終えて、この3年間わたしにはなんだか不思議でしょうがなかった松山大学ダンス部という現象のナゾが少しずつ解けてきました。毎年、学生の入学や卒業に伴って流動的にメンバーが変化していっているはずなのに、ビシバシ支配的な指導者に吸引されるわけでも、部活にありがちな体育会系のヒエラルキーにのっとって結束しているわけでもなく、30名もいる出演メンバーを、驚くほどフラットで多様に構成されていく作品の完成度=最高の未完成度は絶品なのです。全員野球ならぬ全員ダンスのふしぎ。(部員54人全員の誕生日を祝うらしいと聞いて納得もしましたが……)
でも、最後まで読んでくださった皆さんがいるとすれば、同じように感じるかと思うのですが、彼らのお話の中には「監督」「コーチ」そして「松山という土地」といった、松山大学ダンス部には欠かせないであろうキータームが随所に出てきまして、どうもその辺にも秘密があるのではと、さらなる好奇心がくすぐられ……。わたしの印象では、与えられたものを素直に吸収してすくすくと育った可愛い子ヤギたちが、身体も才能もエネルギーも、余すところなくのびのびと跳ね回っているように見えたので、その土壌がまたすごく知りたくなっちゃったんですね。
そして大会最終日、監督の大野八重子さんが、アポなしにもかかわらず、私たちのインタビューの申し入れに快く応じてくださいました。大野さんは、もうこころゆくまで、私たちの好奇心を満足させてくださいまして、あまりにも長いインタビューとなってしまったので、次号であらためてドッカンと掲載いたします。
関連リンク:
松山大学ダンス部
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/circle/circle.html
(過去作品が動画で見られます!)
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