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フェスティバルゲートで活動する4つのNPOの検証と未来に向けてのシンポジウム


第二回シンポジウム

甲斐
 さきほどの、新世界を行政はどうしたいのか、という問いかけですが、正直分からないです。実際僕らはアートという分野、文化という分野に関してしか行政と接点がない立場なんですけど、アクションプランというものはあるんだけど、アーツパーク事業をどうしようと思っているのかということがお話をしていても伝わってこないっていうのがあるんですね。対話をいっぱいしたいって思うんだけど、上にいけばいくほどよくわからなくなっていくっていう感覚がある。それと同じように、いったい大阪市は新世界をどうしたいと考えているのかわからない。沼じゃないけど闇のなかに腕がずぶずぶーっと入っていくような感覚があって。だからイメージというのはこちら側で僕らが具体的にしていかないといけないなと今回思ったんです。それから藤さんがおっしゃるワークショップという、議論をしたりアイデアを出したり、情報交換する場を作ることをアクションしていかなあかんっていうのはほんとうにその通りだと思うんですが。……うん、ね。どうやったらいいんでしょうか。じつは8月までに答えを出せって僕らはいわれているので。

上山
 8月ってどういうこと? もうちょっと具体的に教えて。

甲斐
 実は5月に新世界アーツパーク事業はここを出てべつのビルで安いところを借りてつづけていくっていうのはどうか、という投げかけがあった。ここを出る出ないの判断をしてほしいと。使えないってなると引っ越しとかであなたたちの活動が止まってしまうのでそれはまずいだろうと。だから引っ越しするかという答えを8月までに決めてほしい、と。
 じゃあもうお金集めて買ったらええやん、というのも一回目にアイデアとして出たんですけど。そういう状況のなかで、たぶんつづけていかなあかんのは、町内の方とか地域の方とか含めて、どっちみちやっていくと思うんですけど、これを機会に深く関係とりながら、やっていかなくちゃいけない仕事も見えてきたりしてるので、すごい学習機会になっているし若い人も興味をもってやってくれている。ただね、見えないんです。僕らアートっていうのはブランディングの要素のひとつになりうる。情報産業の突端にいるわけなんですけど、その話の上で新世界どうすんねやというのでイメージされているところがあれば、そこと話をすれば接点があるかもしれない。ただ僕らほんとに誰と話をすればいいかわからないという感覚なんですね。……なんか、打ち明けて終わってしまってるんですかね? すいません。
 あ、会場の方、今日のプレゼン見て何かあれば、それはあかんでとか、こんなアイデアどうやとか、ここでどんどんいってもらえたら。

会場1
 中森といいます。ここの地域開発という意味では大阪市の大失敗の開発で、阿倍野の開発もすごく赤字出している。このままいくと失敗する。動線計画という意味で、天王寺阿倍野地区から動物園のこっちまで集客する人の道がちゃんとできれば再活性できるはずなんだけど、そのへんをいかに連携させてアクションとつなげていくかということを提言すべきかなと思います。

甲斐
 しゃべっていい? 最低限気持ちの準備として思っていることは、新たな予算を投下するっていうのは、いまここで要るお金つまりここのビルだけの話で、開発するということになると更にお金をかけていく側面があるのかなーって思って……

会場1
 阿倍野開発の部署の担当とかもあるし、要は縦割りが悪いと思ってるんですね。ただグランドデザインするといっても全体をいっきにはできないんで、パーツパーツをどうつなげていくかしかないんで、そういう意味ではここと阿倍野地区、もしくは堺筋をどうするかということを考えていくことが……

甲斐
 たしかに新今宮から降りて日本橋へ行く人はとても多い。皆、そこ歩いていくんですよ。ここは素通りなんですけどね。

上山
 いま行政の縦割りとおっしゃいましたけど、そうなんですね。たとえば、WTCは港湾局なんですよね。ここは交通局ですよね。その他ありとあらゆる部局がいろんな信託事業をやっていて、私はいろいろ行政みてきてますけど、これほど複数の局がばらばらにいろいろなことをやっている自治体は日本でも稀。ふつうは建設局とか企業局とか都市開発セクションがやるんだけど、大阪市はたくさんの局が不動産ビジネスをやっています。大阪市役所の縦割りが各地域にいろんな事業を増やしちゃうことになってしまった。いまいわれたのは、ここは交通局で、阿倍野は交通局じゃないですよね、他にも大中いろいろ、シティエアターミナルとか、そういうものがばらばらとあって。べつにどこにも悪気はなくて、担当の方と話しても問題をものすごくよくわかっているし真面目にやっている。真面目にやってるんだけど、彼の局では解けない問題だよねと、そういうことがあちこちで起こっている。担当者は問題の構造を知り尽くしていて、ものすごく真面目で、徹夜して毎日仕事している。しかし、その局で解ける問題じゃない。そういうことがすごくある。

甲斐
 何となく人に例えると、「右手です」って言ってくれてる感じなんです。僕は「右手」なんで「左手」できません、あー「足」もできません、っていう感じで動いてくれてはる感じで、もどかしいことがすごくあります。それは人の問題では全然なくて、システムの問題、組織の問題。

上山
 地域でつなぐしかない。文化といった瞬間、文化担当という縦のなかに入ってしまう。それで、こういうの(プレゼン資料を指示)って全部あるでしょ。だから、こういうのを考えるのって、市長か区役所か、あるいは地域開発かっていうことになるから、いろんな要素が入っているっていうのは縦割りを打破するために非常によい。ここは交通局がやっていて、交通局がやるとジェットコースターか交通博物館になっちゃうのかも。交通局から地域の人たちにいったん大政奉還する。そうすると、こういう議論もまじめにできる環境になる。商店街を含めた地域の人たちとの議論、そのつぎはいきなり市長ですね、段取りとして。


 そういう意味では、いまのその阿倍野とか周辺地域の活動を、地域活動レベルでつなげていく活動を作っていくのはどうでしょう。たとえば、いまここの4つのNPOが連携しているけど、その4つにとどまるんじゃなくて外のいろんなNPOとつながりながらこの地域全体のイメージを作っていく。具体的にお金をかけるハードの整備じゃなく、いろんなつながりを作っていく活動は、僕は知恵でできると思う。逆にいうとそういう知恵が得意な人もいる。そっちからもアクションを起こしていきながら、そういう関係のなかでここの場の問題が見えてくるといいですね。

甲斐
 すごくよくわかります。他に会場からは……

会場2
 いま地域活動をつなげていくという話がありましたけど、小学校の総合的学習の時間があって、子どもの本音を表現するようなもの、それからワークショップを行政で開催すると。わたくし自身が、前回の話で子ども向けのワークショップの話をされてましたけど、わたくし自身あたらしい童謡をひろめる活動をしていて、それは大衆芸術の要素もありつつ、先端芸術それから限界芸術のよさをあわせもったものとたまたま出会いまして。いまよくいわれてますが、学校の音楽はクラシックとか純粋芸術に偏っていて、それに対して子どもの本音というのが一方にあって、少年の悩みとか、斜に構えた態度の子どもたちであったり、そうした子どもの隠れ家的なもの。そういう作品を作られる方々のノウハウといったものを出前してその出前を地域にもっていく。そういう活動をしているNPOもあるということも伺っていますし。地域住民の発表の場というのもされている。そういうふうにしていきますと、ふだんあまりPTAでしか顔を合わせないような人たちがそういう場で交流できる。そういうことを掘り起こしていくのは何かありましたら教えていただきたいです。

甲斐
 とくに地域や子どもにまつわる、という部分ですね。お、お、大谷さーん、あと雨森さんとか出てきてもらったほうがよいかな……。大谷さん、ダンスボックスさんの方では地域に出ていってダンスを……。

大谷
 ダンスボックスの場合は、この地域の小学校ではまだやっていないので、それは今年ワークショップと、それから地域の人たちを劇場に無料招待する試みをします。もうひとつは出前ということでいうと、今年の三月に泉北アート・プロジェクトとして泉北高速鉄道エリアにある福泉中央小学校で、美術、ココルームの声と詩のワークショップ、ダンスのワークショップを3回やりました。この地域じゃなかったんですけど、地域に出前してやるということをやっている。あるいは、小学校、中学校だけでなく、市民センターや障害者施設といった公共施設でワークショップをコーディネートしていくというアプローチをしている。それはここ数年、とくにここに来てから、ダンスボックスをNPO法人することによって、そういうご依頼を受けて、私たちのほうからプロジェクトにあったアーティストの方を選んで現場に派遣する。それは、子どもたち、あるいはそれを受講する人たちだけでなく、教えるアーティストの側にも勉強になる。アートの教育のありようが鑑賞型だけではなく参加型に変わってきている。それは、アートと地域社会ということにもかかわっていると思います。

甲斐
 ありがとうございます。他にいろいろなプロジェクトやっているので、各NPOのメンバーここにいますので、細かい事例については後ほど、remoの人ーっていってもらえると反応して対応できるはずです。そのへんにアクセスしてもらって。次に、はい、カメラの後ろの帽子の方。

会場3
 ひとつ思ったんですけど、ひとつひとつの活動をしているということはすごくすばらしいと思うんですが、ヴィジョンとして新世界がなんで要るのか、ということですね。新世界ということがなぜ必要かということから掘り下げていくと、このフェスティバルゲートを潰すということが、地域住民にとってものすごく寂しいことなのか。通天閣が潰されたらたぶんいろんな大阪人がちょっと待ってくれよというと思うんです。ただフェスティバルゲート潰れるっていわれて、ぱっとしないんですよ。象徴としてないのがすごく残念で。僕も、4NPOのなかでココルームさんとブリッジとダンスボックスとさせてもらってるんですけど、すごく意味があると思って、そういう人間としてはフェスティバルゲート潰れてほしくないって思うんですよね。だけど、もっとひろい意味でいうと、じつはみんな『あ、そうなんや』っていうくらいでおさまってしまうと思うんですよね。だから、絶対的に意味があるもの、潰れてほしくないようなものがあるんだったら続けていける。この建物じたいが潰れることは余り意味がない。ジェットコースターがあるかないか。そんなん、ジェットコースターが絶対にほしいのか、と。さっき話されてましたけど、交通局はジェットコースターっていうけど、違う面でもしあればその違うものが象徴になる。その象徴がフェスティバルゲートにカチッとあれば、それぞれのNPOの活動も活かされるし、ここに来ればこれがあるというのが大阪にできればここは絶対に活性化されると思う。六本木ヒルズっていうのは、六本木が皆要ると思っている。マスコミでも。大阪では新世界ってあんまり出てこない。新世界で何がおこなわれているとか、そういうことが明確に、なんですかね。だから、ジェットコースターっていうのが象徴しすぎた。チープっていうか。それは逆に面白いというよりも、一瞬だけで終わってしまったって気がするので、だから新世界という場で絶対的にこれは潰れない、それがあってほしいと思ってくれる人間がまわりにいてくれると、そういう……

甲斐
 うんうん、なんとなくわかる。フェスティバルゲートっていうとけっこう大阪の人かなり知っていて、ジェットコースターあるっていうの知ってて。ただ現実問題として僕らが感じているレベルでは、これ潰すのに何十億ってかかるし、潰すのはありえない。じゃあ閉めるのかっていうと、閉めるのもこれまた難しい。じゃあどないすんねや、ってことですけど、どないしはんねやろ。潰すことも閉めることもできない。そこで僕らがイメージしてみたのは、ここを公園ということにしてみたらどうだろうか。ほんなら固定資産税かからないし、そこで商売するのは公園に置いてある自販機(笑)。自販機なんやっていうことでここで商売する人に入ってもらう。僕らは公園で毎日盆踊りしている。という状況をイメージしたらどうだろうかと考えてみた。シミュレーションしてみた。上山先生もいわれたように、地域というところでどういう役に立てるか。公益という意味での地域。ブランディングの役に立つかもしれんし。今日のプレゼンは、要するに役に立つかも知れないものがいろいろ入っているので、どっか接点があるだろうって思うんだけど、役に立つ場所という意味でチャンネルをくりっと変えれるような機会ができれば、というのがこのプレゼンであると思うんやけど。もしくはいま僕らのこのトラブルがそういうことを考える機会になっている。
 あと、後ほどいおうと思っていたんですが、こういうのって、ワークショップみたいなのの機会を何らかのかたちで作っていきたいと思っているのでそこにもまた関与してもらえたらなって思ってるんです。でも、これどうやったらいいんやろ。8月が期日であるし、その後やろうと思ってもね。僕ら正直なところ普段の運営をしていくということだけでかなり大変で、人力・労力・時間すべて使って、ほんとに余力ない状態の上に、いま4NPO集まって無理矢理このシンポジウムをやっている状態です。寝てない人もいます。どないしょうって状態で。ほんとに力貸して下さい。お願いします。お金でもいいです(笑)。はい。

会場4
 ワークショップをやられるという、それは大賛成で、ここはいろんな施設があるから、さきに見学したり説明してもらってその上で連続していろんな人を集めてブレインストーミングしたりする。潰すのは現実的でないというのを聞いて安心したんですけど、リニューアルすることでいけるだろうと思いますし。ブレインストーミングするときに、8月末までに結論を出さないといけないということですけど、その判断基準というものを明確にしてもらうとわりと進む。つまり、権利関係がどうなっているかということが理解できていないんですね、土地信託とかで?

甲斐 
 もともとは。

会場4
 そういうことがわりと理解できてないのですけど、それで出る出ないという判断の基準を明確にしてもらうと生産的な議論ができると思います。それと、もっと他の種類のNPOとかも入られるとよいと思います。いま4つのNPOありますけど、わたくしなんかはふだんちょっと来にくいんですね。音楽とか若い人しか行かないようなイメージがあって、同じアートでももうすこし絵画とか別の種類のものがあればよいかと思います。それからアートの関連でいうと造園とか、屋上を緑化するということとか。もうひとつの方向性としてはアートセラピー。心理学関係のワークショップとか、そういうのをするとまた別の種類の流れもできるんじゃないか。そのなかで大阪市のいろいろな部門と話をしてもらった上でそこでまたブレインストーミングなどするといいと思います。それと御堂筋線と堺筋線。堺筋線なんか、インキュベーションの場としてもありますし、そういった流れともまたつなげていくと。

甲斐
 ありがとうございます。あ、どうぞ。

会場5
 個人的な意見なんですけれども。環境ビジネスということで、グリーンゲート、竹のミュージアムというのが大分県や福井県にあります。都心の人が竹をいっぱい植えて、ここを地域のオアシスとして、リラクゼーション、憩いの場として使うということもできます。アートということでも、バンブーダンス、ミュージック、絵画、美術に関するものななんでもできます。竹のいろんなものを組み立てて、子供達といろいろ遊べますし。いろんな使い方があると思います。大阪府は千里とか竹藪の伐採で苦労して、竹資源はいっぱいあるので、エコロジーの素材を使って、いっぱい建物をグリーンにして、海外から来られたお客様がすぐ見て行ってみたいと思うような建物として、発展していくような、施設としての使い方もあるんじゃないかなと思います。

甲斐
 ありがとうございます。


 なんかそうやって、いろんなひとたちが関われば関わるほど、いろんなアイデアが湧き出てくると思うんですよ。それを具体的にどうするのか、どういうプロセスで作っていくのかというのが楽しいですよね。例えば六本木ももともと何もなかったんですよね(笑)。誰かの意思で本当に地域は変わるんですよ。逆に誰かが強い意志を持たないと地域は絶対変わらないと思うんですけどね。やっぱりそれだけの力になっていくかどうか。ほんとにぼくも、ここのみなさんのことを知っているので、きつきつでやっているのはよく分かる(笑)。ほんと大変だとは思うんですが。こうしたいという、強い意志をまとめていかないといけない。

甲斐
 そうなんです。そうだと思います。


 アイデア出すのは面白いですよね。いろいろね。

甲斐
 出すのはほんと、気が楽なんでね、こうやっていくらでも出せるわけなんですが。どんどん出して。はいどうぞ。

会場6
 オリックスは、どのような計画をたてているんですか?

甲斐
 詳しい計画はよく分からないんですけれども。聞いてたのは、交通記念館っていうのが決まってたみたいです。で、それは今止まってます。あと、何かありますか?
 ……実はそのこうやって「アートだ」って言ってる横で、西成っていうのがあって。たぶん、かなり実はぜんぜん違うんですね、こっち側、新世界の動きと、西成の動きとまたぜんぜんちがって。すごいここ、分岐点って言っていい状態なんですね。それぞれとお話をすることがあるわけなんですけれども。(アーツパークの)それぞれのNPOで、新世界のほうにぎゅっと寄っていく人、西成のほうにぎゅっと寄っていく人、両方にいく人いろいろあります。その中で僕らはたぶん学習をしていて……
 

 

 これはたぶん、僕らの現場では、ほんとに今からの問題だと思うんです。例えば映像であるとかダンスであるとか音楽であるとかのNPOが、例えば福祉の問題とか高齢者の問題にどういうプログラムを提供できて、どのような絡み方をし、ワークショップなどの形で経験を重ねてゆくか。例えば様々な医療や教育、福祉の現場とどのような関係を作って行けるのかという問題でもあります。秋田の医療法人が社会と美術の関係に詳しい専門の学芸員を雇っていて注目していたのですが、最近彼女もついに解雇されてしまい現場の難しさを感じたばかりです。
 まだほんとに日本のなかでは過渡期だと思います。実験的に様々な経験を重ねながら具体的な事例をそれぞれの地域で実証してゆく段階だと思うんです。僕自身はプロセスが一番大事だなと思っていて、プロセスとして、なにか動いてるというところが地域の魅力になると思うし、そこから何か、かならず大切な何かが作られていくと思うんですね。さっき教育の問題、総合的な学習の時間の話も出ましたけれども、教育と「映像と記録のメディアのNPO」がどういうふうにからんでいくのかとか、すごく大事な問題です。記録というモノがまさに教育とからんでますからね。たとえば中国との問題にしろ、歴史という記録をどう作り、どう教育してゆくかという問題はとても大きなテーマです。本気でじっくり考えながら形にして行くあらゆる現場がほんとに必要だと思います。
アートを文化芸術と捉える考え方に僕は距離感を持っていて体験的には納得できないんですけれども、アートっていうのはいろんなものを新しい手法で解決していく技術だなと思っています。この施設にしろ、地域にしろ、この周辺の環境との関係にしろ、4つのNPOをはじめとして、いろいろな地域活動の団体やそれに関わるアーティストとかいろんな人たちが、そこに主体的に、積極的に関わりながら何かを作ろうとするエネルギーが実は一番役に立つ。使えると思うんです。そのエネルギーをうまく導く手法が今後必要であると思うし、そこで具体的な事例をそれぞれのNPOで作って行きながらすすめていく必要があると思うんですけどね。

甲斐
 よくわかります。今いろんな経験をしている真っ最中なんですが、「連帯」っていうことばがすごく難しい感覚のように思ってくるんですね。連帯するときの、マナー、ルールとかっていうのをたぶん学習するために今こんなことをしてるのかなって思ったりもしています。市民が連帯するっていうのを、ヨーロッパでまざまざと目の前で見てきた経緯もあってなんですけれども。どうしてあんな風にいろんな立場の人たちが、ある公共性、ことばにもなってないような公共性について普通に話し合えるんだろうって。議員さんも高校生といっしょにしゃべる、ということを普通に風通しよくやっている国がある。そういうところがいっぱいあって、それを見たときに、どうやってこの人達はその情報流通を作ってるんやろう? たぶんお話をする機会をいっぱいつくったんかな、とは思うんですけども。ぼくは今ここに携わっていることがいい機会になってると思うんですけども。

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