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パフォーマー
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会場
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公演日
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篝の舞楽 |
松岡永子 |
四天王寺の万灯供養会には毎年来ているが、舞楽ははじめて。篝(かがり)の舞楽は講堂と金堂の間の砂庭で行われる。四月の聖霊会の舞楽のときには石舞台を使うらしいので今度はそれを見てみたい。 客席に入ると、雅楽奏者はもう着座していた。その後方で松明などの用意をしている人たちは絵巻物で見た「舎人(とねり)」の格好をしている。舎人たちが煙草を吸ったりペットボトルのお茶を飲んだりしている、なんだか不思議な風景を眺める。 挨拶などを除いた、舞楽のプログラムは「篝の舞楽」「振鉾(えんぶ)」「打毬楽(たぎゅうらく)」「胡徳楽(ことくらく)」「蘭陵王(らんりょうおう)」「長慶子(ちょうげいし)」。 「振鉾」 ホッケーのステッキのようなものを持って武官四人が登場。球を真ん中に置いて、フォーメーション練習のように舞う。冠には季節の花。 「胡徳楽」 舞というより劇・パントマイムの要素が大きいので、わかりやすく面白い。 主人と四人の客の酒宴。給仕の爺(宴の前から盗み酒、宴でもお相伴・盗み酒)。さすがに主人は乱れずに座を立つが、後に残るのは酔っぱらい。居眠りしたり、楽士に絡んだり、(舞台を撮ってる)カメラの前でポーズを取ったり…酔っぱらいは古今東西似たようなものらしい。かなりの部分がアドリブのようで、わりとみんなウケを狙っている。 「蘭陵王(らんりょうおう)」 伝説の美少年王。あまりに秀麗なため、敵や部下に甘く見られないために仮面をつけたという。(パンフレットには別の起源説の説明もあり) 見ていて、わたしは鳥を連想した。あるいは筋斗雲に乗る孫悟空。そんな軽やかさ。 わたしはまったくの門外漢なので、技量や趣向について云々はできない。ただ、単純に見ていて楽しい。伝統芸能というと構えてしまう人も多いようだが、ふつうに見ていて楽しい。見どころはいっぱいある。たとえば舞楽の衣装や面のすごさはとてもわかりやすい。ただ、現代のエンターテイメントのように見どころだけをコンパクトにまとめて、はいどうぞ、と手渡してくれるものではないだけだ。はじめから気負ってみていると集中力がつづかない。気持ちと時間をゆったりもって、お祭に参加するようなつもりで眺めていればいい。ただ食事は先にしておくべきだった、と反省。
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