浅川
夏子(あさかわ なつこ)
物心つく前、イケイケの祖母がよくディナーショーに連れまわしてくれた。高校生の頃、演劇かぶれの友人は好きだった芝居によく連れまわしてくれた。意識しないうちから“ステージ”をみてた私は、観客席からみえるキラキラした濃密な空間に、ただただ憧れた。「この幸福感、もっといろんな人と共有できれば楽しいかもしれない」そう思って客席から踏み出した一歩が、今、この場所に繋がってるんだと思う。
栂井
理依(とがい りえ)
舞台に「ひと」が立つ。そこに、その「ひと」の佇まいが在り、物語が生まれる。それはたいていあまりにも切実で、煌めいていて、愛おしくって、毎日、平面に向って文字を書いたり、本を作ったりという仕事をしているわたしは、そんな生の舞台の魅力にはかなわないや、といつも思う。わたしにとって、劇場へ通うことは、そんな嫉妬と羨望を孕んでいて、だからよけいに離れられない。
西尾
雅(にしお みやび)
ひと仕事終えた資生堂の地下ホールで偶然出会った南河内万歳一座「仮面軍団」に衝撃を受ける。続くアイホール柿落し連続興業の新感線「喜劇 井戸穴じょーじの大冒険」で、完全に小劇場にハマる。今では、興味はミュージカル、歌舞伎、ダンスや宝塚にまで。1枚のチケットを見つめるだけで苦しい時も乗り切れる。舞台からもらう元気を返すには感動を共にする人を増やすしかない。
平加屋 吉右ヱ門(ひらかや きちゑもん)
高校生の頃から、劇場に通っていた。劇場には、わくわくドキドキしている自分がいる。芝居を見ながら、昔の記憶、昨日の出来事、行ったこともない世界、会った事もない人たちとの出会いに浸ってしまう。演じているものが送るエネルギーと客席で発散する熱気が響き合い、驚きと感動をつくり、劇場という空間全体が生き物のように躍動する。そんな世界があることを、一人でも多くの人に知ってもらい、一緒に楽しみたい。
松岡
永子(まつおか よしこ)
昔、同人誌をやっていた頃、詩人の方が言いました。
「一番たちの悪い批評家は書かないで読んでるだけの人ね」
わたしも、たちの悪い批評家でしょう。みる以外のやり方で芝居に関わったことがありません。ジャンルとしては「小劇場」中心ですが、わりとなんでも面白くみられます。単に、物見高い野次馬ともいえますが。
CCCのメンバーに仲間が加わります。OMS批評賞の意志を継続するためには質・量ともできるだけ多くの批評を載せたいと思います。それには賛同してくださる新しい力が必要です。そこで、開催されたステージサロンすべてに出席し、独自の舞台評を披露する池上宣久をメンバーに迎えることにいたしました。詩のボクサー、推理小説マニアでもある彼の感性と創造力が今後発揮されることでしょう。日々消え去る舞台表現のデータベースとしても、より多くの観劇記録が重要です。これからも新しい意志と才能の参加をお待ちしております。
池上
宣久(いけがみ のぶひさ)
小学校四年生で怪人二十面相に出会ってミステリマニアになった僕は、大学に入って化身塾と出会い演劇ファンになりました。ミステリの嗜好を示すのに、トリックかロジックかという言い方があります。恐らく僕は舞台にマジックを求めています。他者の批評に接して思いもしなかった視座を与えられるのはスリリングな体験です。それが僕がステージサロンに参加してきた大きな理由なのですが、そんなスリリングさを、もっと多くの人と共有したいと思います。
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