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パフォーマー
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会場
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公演日
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繋がることができるの |
平加屋吉右ヱ門 |
この世に無い物が登場する。生まれる前に亡くなった子ども。人間の姿をした蜘蛛達。しかしここに描かれるものは、恐怖の対象としてではない。私たちのすぐ隣に、自然体で存在するものだ。世界を構成する一要素になって、貴方に語りかけてくる。我々以上に「生」を欲求し、生きていくことの辛さを感じている。 どこか外国で戦争が始まり、その国に取り残された日本人たちは大使館の指示でシェルターに保護される。酒場の女主人、バックパッカーの二人組み、ホテルを経営する女とその姪、それに、スズという女。皆、何かから逃れてこの地にやってきた者たち。ある日、彼女たちは、大使館員の国本にこの窓もないシェルターに閉じ込められたことに気づく。その内、外では軍隊が移動してくる。周りは戦場と化し、例え外に出られても、生きていける保証はない。その中で女たちは日本での普通の生活の大切さを知り、懐かしく思う気持ちに動かされる。思い切って戦闘の合間の僅かな時間に、シェルターを脱出する。しかし彼女たちの命は、実はネクタルの命だった。 懐かしさというものは、匂いとか、この舞台で登場する風鈴の音のような、かすかな音、童謡、意識せず体に染みこんでいるもの。国籍や使う言葉か同じというだけでは、それぞれに持っているものが違う。だからそれだけでは繋がれない。しかし、皆で口ずさむ事の出来る歌は、人々をつなぐことが出来る。そして、自ら何かを始めようとするものだけが。
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