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+ 小島剛(こじまたかし)

大阪在住の音楽家。主にmacintoshとプログラミングソフトmaxを使って即興音楽を中心に国内外で活動中。

+ 塙狼星(はなわろうせい)

1963年生まれ。人類学を専門とするアフリカニスト。中部アフリカの旧ザイール、コンゴ、カメルーンが主なフィールド。アフリカの踊りと音楽をこよなく愛する。

Aug 2003 4:12PM from Takashi Kojima  フランススト事情

お元気ですか?8月にはタイにバナナのリサーチをしに行ったと聞きました。タイはいかがでしたか?
またいろいろ聞かせてくださいな。

僕はフランスでいろいろ考えていたアイデアや方法論をようやくレコーディングし始めました。
また出来上がったら聴いて貰います。(強制)
フランスでの舞台芸術の制作関係者のデモとストの話について少し書いてみたいと思います。
 結局、僕らが参加したMIMIフェスティバルでは期間中に毎日30分のビデオ上映と観客を交えた討論会をコンサートの合間に挟んで行われました。それができない場合にはコンサートを妨害するといった脅迫まがいのことを言われ、フェスティバルのオーガナイザーは渋々承諾したようです。
 そのストライキの内容というのが、彼らの失業保険に関わる問題で失業中の給付金の数パーセントカットというものでした。(と思います。)舞台関係裏方さんは、毎回のイベント毎にその舞台の仕事をして、それが終われば失業状態ということになるので、その失業期間中の補償を求めているわけです。それで今年はアビニヨンやプロバンスの名だたる演劇フェスティバルでの公演が中止になったりしてフランス国内は大きな問題になっていました。
 まあ、文化政策の後進国と言われている日本在住の私からみても「何を甘えた事を言ってますねん。」ですが、実はフランス人の友人も多くは「甘えるな。」という意見でした。観客も多少うんざりした雰囲気と興味本位で苦笑しながら見ているといった感じでした。
 ストライキという行為自体が当事者だけに関わる問題なので、他の人たちにとっては迷惑な行動なわけですが、それを差し引いても明らかに世間と乖離している彼らの姿は少し惨めな気持ちにもなりました。それに、表現活動の衝動と人生サバイバルの関係がストと言う形で結果的にビジネスっぽく活動してしまうというのが果たして表現者として適切な姿なのか、おおいに疑問を感じます。もちろんこれは表現者としての僕のスタイルから来るわけです。もちろんビジネス、もしくは生活の糧として捉えている人にとっては、表現者であろうとマネージメントをしている人であろうと、そんな感情論を言っている場合ではないと言われるでしょうが、それがそもそも現代の私たちの生活の中にあるインディペンデントな表現活動の在り方だと思うし、サバイバルする楽しみ(苦しみ?)も結果的に表現スタイルの一部だと思うのです。
しかも人のフェスティバルを妨害するというのは、まったくもって論外。

それはそうと、最近でもフランスのバス運転手のストがありましたな。
「運転時の半ズボン着用とサングラスの貸与を認めよ!」
戦わなきゃならんのですかね。世の中。
と言う感じで、あまりまとまりが無いですが、何となく雑記ということで書いてみました。

猛暑のフランス
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