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+ 山下里加
4月22日(木)寺とジュエリー。

 今日は、京都造形芸術大学情報デザイン科のフィールドワークの授業日である。これは、2001年から始まったものだが、要するに美術館や画廊、アーティストや自治体が運営しているアートスペースなどに行って、展覧会を見たり、学芸員や運営者、アーティストにお話を聞く、という授業。授業というより、遠足。先生というより、遠足隊長なのだ。基本は、ライター業でやってきた仕事と変わりないのでワリと気楽である。
 今日は、醍醐寺で開催されている『エットレ・ソットサスの目がとらえた「カルティエ宝飾デザイン」展』へ行った。私は、ブランドも宝石もあんまり興味はないけれど、会場設営がとても変わっていたので、授業に選んだのだ。
 さて、学生達の反応やいかに。。。毎回のことながら、本当にバラバラ。こういった“美しいもの”が好きな学生もいれば、もっとアートとしての見どころを求めている学生もいる。ま、それは今回の目的ではないので。
 エットレ・ソットサスは、イタリアを代表する建築家であり、デザイナー。もう87歳という、超大御所だ。で、今回の見どころは、彼がデザインした会場設営。高さ2メートルほどの箱、ショーケースを50台ほど作り、並べているのだ。その並べ方が、絶妙。直線はなく、曲線のみで構成されており、展覧会を見て回るというより、庭を散策しているような感じなのだ。だけど、観客の動線はかなり強制的に作られていて、見落とした作品、ジュエリーがない。上手い!
 まあ、そう言う風な、人間の身体的な感覚を組み込んだ会場設営を意識的に知ってもらえたら…と思っているんですけどね。伝わったかなぁ。

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