今日は、大阪成蹊大学芸術学部のプロジェクト演習の授業日である。プロジェクト演習とは、学内での制作、あるいは個人的な作品研究だけでなく、もっと社会に開かれた人間を作っていこうという試みだ。
私が担当するのは、知的障害のある人とのコラボレーションの可能性を探る授業。参加者は6人。女性ばかりである。
今日は、西宮にあるすずかけ作業所内のアトリエ活動の訪問日である。知的障害のある人と直接的に出会うのは、ほぼ初めての人ばかり。どうなるんだろう。ドキドキしながら見守っている。見守るしかない。
驚いた。けっこう、学生さん達が積極的なのである。何よりすずかけのメンバーたちが作る作品に驚いたり、笑ったり、真剣に見たり。メンバー達との交流も、私が思っていた以上にスムーズだ。もちろん、作業所スタッフの長友さん達の引き合わせ方の巧さもあるのだけれど。
駅までの帰り道は、みんなふわふわとした足取り。ほどよい疲れと心地よさが体の中に満ちている。私はこれを「温泉効果」と呼んでいる。
学生のひとりからメールがきた。「(同じ絵を描く者として)ついついライバル視してしまいました」。いやはや、もう私の出る幕はないなー。彼女達の方がすごいスピードで走っていく。
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