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                  + 山下里加 
                  + 小山田徹(こやまだとおる) 
                  
                     
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                         1961年生まれ。京都府在住。1984年、京都市立芸術大学在学中にパフォーマンス集団、ダムタイプを立ち上げる。 
                          主に企画構成、舞台美術を担当。国内外での公演多数。 
                          1992年、コミュニティセンター“Art-Scape”を運営。 
                          1994〜96年、“Weekend Cafe”を運営。 
                          1998年、コミュニティカフェ“Bazaar Cafe”の立ち上げに参加。 
                          2000年、ダムタイプでの活動を休止。個人活動を開始。 
                          2001年、共有アトリエ T-Room の立ち上げに参加。山口情報芸術センターのプレイベントとして、市民との協働プロジェクトを開始(現在も継続中)。 
                          2002年、『Beautiful Life』展(水戸芸術館)出品。 
                          2003年、『ガーデン/山荘の時間』展(アサヒビール大山崎山荘美術館)にて、連続ワークショップを開催。 
                         
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                             12月28日(日)4:42PM from小山田 猫道の途中で出会って逝った人 | 
                           
                           
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                        山下里加様 
                          例によって、返信遅れて申し訳ない。よんどころない寄り道でバタバタしてました。 
                          先日、25日のクリスマスに大事な方のお別れの会を企画して盛大なパーティを行いました。今日はその方のお話を。 
                          お別れの会の主役は遠藤壽美子さんという演劇プロデューサーです。9月頭に入院して11月に突然、癌でお亡くなりになりました。享年67歳。 
                          「人は歳をとってからでも十分に変わる事が出来る」を体で示した方でした。 
                          遠藤さんは長年京都の小劇場演劇界を支え、数多くの劇団をサポートし、世界に送りだしてきました。私がやっていたダムタイプも立ち上げの頃から繰り返しお世話になり、いわば京都の様々な劇団の「おかん」みたいな存在でした。かなりアクの強い方で、好き嫌いのはっきりした、情愛のはげしい「おかん」でした。 
                          今回添付した写真のバッジは、お別れ会のお土産のバッジで、遠藤さんの口癖をアレンジしたものです。「はよしよし」「好きにしよし」「メルシーボンクー」「あんたえーとこ来たわ」「よかったなー」「あんたの事は何でも知ってるで」などなど、様々な名言を残された方でした。 
                          さて、「歳をとってから変われる」の話しです。 
                          遠藤さん55歳、始めての海外旅行でダムタイプ海外公演に付いてきました。ほんとに、付いてきたと言う形容どうり、英語もわからない、バスも乗れない、お金も分からないで、ダムタイプのメンバーから離れる事のない旅行でした。ホームパーティもメンバーを通訳にしておどおどしてました。なんとなく自分の親を連れてきたみたいで、メンバーもある意味大変でした。その後も懲りる事なく、毎回、ダムタイプの海外公演に付いてき続けました。そして、気が付くと、いつの間にか国際派プロデューサーとして活躍しはじめていました。66歳で国際交流の活動を評価され、サントリー地域文化賞を受賞されました。 
                          想像できますか?もし、自分が55歳くらいで始めての海外旅行に行って、その後の10年で国際派プロデューサーとして活動する事を。 
                          演劇が好きというだけでは出来ない事ですよね。遠藤さんは情愛の深い方だったので、関係の出来た人にはとことん付き合うタイプの人でした。その、おせっかいとも言える「愛」は、人種、国籍を越えて、伝わるものだったのでしょうね。 
                          御本人は、足が悪くて、つえをついて歩く状態で、そんなに散歩が出来なかったのですが、人間関係の散歩にほだされて、世界中の人々を訪ね歩いた人でした。彼女もある意味散歩の達人なんだと思う今日この頃です。 
                          今回のお別れ会には、小さな会場にも関わらず400人近くの人々が集まってくださいました。皆の胸には、日頃遠藤さんから繰り返し言われ続けた言葉がくっついています。いい風景でした。 
                          今回はこんなとこで。 
                          2004年も皆様にとってよい年でありますように。 
                        小山田徹 
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