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+ 山下里加
+ 小山田徹(こやまだとおる)

1961年生まれ。京都府在住。1984年、京都市立芸術大学在学中にパフォーマンス集団、ダムタイプを立ち上げる。
主に企画構成、舞台美術を担当。国内外での公演多数。
1992年、コミュニティセンター“Art-Scape”を運営。
1994〜96年、“Weekend Cafe”を運営。
1998年、コミュニティカフェ“Bazaar Cafe”の立ち上げに参加。
2000年、ダムタイプでの活動を休止。個人活動を開始。
2001年、共有アトリエ T-Room の立ち上げに参加。山口情報芸術センターのプレイベントとして、市民との協働プロジェクトを開始(現在も継続中)。
2002年、『Beautiful Life』展(水戸芸術館)出品。
2003年、『ガーデン/山荘の時間』展(アサヒビール大山崎山荘美術館)にて、連続ワークショップを開催。

2月3日(火)1:32AM from山下 猫道の夜遊び

小山田徹さま。

すーっかり間が空いてしまいました。ごめんなさい。
「家族」のお話、すごく興味深く読ませていただきました。写真もいいですねー。
小山田さんとお父さん、そっくり!
友達同士の中で成立する「家族のような共同体」は、予想できるのですが、血縁のある関係ってすごく難しい。
なんというか、友達同士は「元は違うけれど、今は一緒ね」と瞬間の現状肯定でいけるけれど、家族は「元は同じだけれど、今はこんなに違ってしまったなぁ」と、「今この瞬間」だけの好き嫌いだけではすまされなくて、過去や未来へ意識をふーっとのばして、ようやくたどりつける関係で、それは同時にとても豊かな広がりを持っているのだろうけれど…。
うーむ、実感が持ちづらいですね。今の私には。

ところで、1月後半はほとんど「芦屋市立美術博物館の民間委託、もしくは売却、さもなくは休館」問題の取材でつぶれました。
まだ、いろいろなことが進行中なので結論らしきことは言えないのですが、それにしても、まあ、日本ってすごく変容しつつある。そのことに、私はもちろん、みんなもあんまり気づいていないのかも、という怖さに気づいてしまいました。
不景気うんぬんの気分の問題でなく、実際に法律が変わったりして、社会のシステム自体が変容しているんです。
ひと言でいうと「よ〜く考えよう、お金は大事だよ〜」が、掃除機のようにいろんなものを吸い込んでいるみたい。
もちろん、文化や美術はあーっという間に吸い込まれ、福祉や教育も吸い込まれ、病院や医療も吸い込まれ…。で、一番やっかいなのは、吸い込まれたあとが荒涼とした砂漠ではなく、「お金を払うだけの価値ある」文化や、福祉や、教育や、医療がすくすくと育っていく…。うーん、いいように見えて、すごーく怖い世界。ひどく薄っぺらくて、息苦しい。

希望はないわけでなく、「顔」と「顔」を見合わせる関係の中からは、「お金は大事だよ〜。でももっと大事なものもあるよ〜」って謳い合っていけそうなんです、が…。
やっぱり状況はあんまり明るくないようです。

というわけで(?)、今回の写真は、夜の万博公園です。珍しいアングルでしょう。場所は、うふふ、分かります? もしかしたら、長〜いおつきあいになるかもしれない、あの場所からです。。。。秘密は次号で明かされる、か?

というわけで、暗い気分にしてしまいましたが、今、自分がやれることや、やりたいことは、実はいっぱいあったりするので、なんとかなる、かもしれないです。
ではでは。
また、お返事くださるとうれしいです(もちろん、別の話題でもOKデス)

山下里加

PS!
私用お知らせです。
3月13日(土)夕方6時から「図鑑天国報告会」をします。場所は、フェスティバルゲート3階のダーチャです。
司会はギャラリーTAFの田上賀世子さん。いろいろ鋭い視点からつっこんでくれます。
素敵な資料もお配りします(実費500円)。
猫道を読んでくださっている皆々様、きっと楽しいので来てくださいませ。
併せて、山本純子のアップリケ展も開催(3月中の毎週土・日曜日オープン)。

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