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“プラネット”をとりまく人々 1

1974(昭和49)年6月に発足というのだから
映画資料図書館がはじまってから、かれこれ30年近くにもなる。
入れ替わりたちかわり、関わっていった人は数知れない。

“プラネット”というとまず名前が挙がるのが安井嘉雄氏。

自分もこれまでに何度かお名前は聞いていて
はじめてお会いした時は、ああ、この方が…!と感動した。
寡黙だがニコニコとしていて、まだそんなにお歳ではなくて
こういったら何ですが若き“好々爺”といった風情。
それは、安いさんがプログラムディレクターとして参加されていた
97年秋の山形(ドキュメンタリー映画祭)だった。

プラネット映画資料図書館(といっても雑居ビルの一室)にある
膨大なフィルムや資料の数々は大体が安井さんの私物で
その他寄贈されたものや預かりものも混じえて部屋がうまっている。

 ※ビジュアルはちょっとお見せできないのでご想像下さい

その光景を目の当たりにすると
誰しも何とかこれをうまく整理していけば!
…と思い、トライしてみても
その作業のとてつもなさで途中で挫折してしまう。
あるいは、そうする前に30年来の重みにすでにくじけてしまう。

これこそ有意義な公共事業だ、と密かに思う。

映画の企画を、という際の相談ということも含めると
全国であるいは世界各地でどれくらいの上映企画が
安井さんを経て実現しただろう。

実は、東京で自分たちが以前おこなった映画祭でも
その時は直接、自分がやりとりしたわけではなかったので
よく知らないままで、後々に知ったのだが
これも“プラネット”のお世話になっていたのだった。

学生時代からいわゆる自主上映をされていたようで
まさに我々の先達である。
こういった“プラネット”の仕事をまとめてふり返るだけでも
ひとつの映画史になるだろう。

たまたま何かの機会でお会いした年配の方で
ひょんなことで映画の話をするうちに
“プラネット”の名前を出すと結構知ってる方がいて
そういえば、過去に上映会を観に行ったことがあったよ…等々
この1年くらいのうちだけでも度々出くわした。

そういえば昔、映画青年だったのだ、といわんばかりに。
そうすると安井さんは、永遠の“映画青年”である。

ビデオに蘇る戦前映画の黄金時代!幻の活動大写真 全六巻
制作・発売 プラネット映画資料図書館
各巻=8,000円(ライブラリー価格=20,000円)税別

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