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Now! オーサカ“PLANET+1
”
最近特に注目されているのが映画制作プロダクション=“PLANET+1 ”としての存在だ。
そもそもの始まりは、富岡氏が“PLANET+1 ”を若手の新進映画監督の発表の場として提供したのがきっかけだ。
全国的にもブレイクした『鬼畜大宴会』
= 98年、東京の渋谷にある映画館・ユーロスペース(!)で公開
卒業制作のために作られた無名の新人監督の作品としては異例の昼興行
当時、自分は別の映画の宣伝の仕事に携わっていたのだが
とにかく何かと話題をふりまいていて、自分もその時に劇場に観に行った。
今や若手監督=20代(!)の中でも実力派として名を馳せている監督・熊切和嘉を筆頭に、同級や後輩にあたるその周辺にいた“大阪芸大”の映画学科在籍(出身)の監督他スタッフ、役者等が彼に触発され、優秀な人材が一気に噴出した。PFF(ぴあフィルムフェスティバル)で見出されながら、描いてる暴力表現のために発表会場=シャンテシネにボイコットされ上映できなかったという前代未聞のセンセーショナルな話題を提供し、注目され始めたのがほんの5年前くらいのことである。
『鬼畜大宴会』をきっかけに育った面々は、卒業後も大勢が映画作りに関わり続け今に至る。熊切監督は、つづく『空の穴』、先ごろ完成した新作へと順調に商業ベースで映画を撮り続けている。
大阪芸大出身の面々
昨年、東京+大阪から全国公開を果たした
山下敦弘『どんてん生活』
柴田剛『NN891102』
本田隆一『東京ハレンチ天国 さよならのブルース』
宇治田隆史『悲しくなるほど不実な夜空に』『浪漫ポルノ』最新作『ts』
元木隆史『プウテンノツキ』
他
村主岳史『1+1-1』
短編作品の監督と俳優もこなす山本浩司『BOOMERANG2000』
横山浩基/ピーコックフィルム、俳優・澤田俊輔、音楽・赤犬/松本章
向井康介/真夜中の子供シアター、宣伝・制作の安井聡子
撮影・近藤龍人、その他スタッフ等々
自分が知る限りでも彼らは商業ベースの仕事も経験しながら、それぞれがステップアップし、また仲間の仕事に関わっている。
稀にみるこのような結束は、如何なるものか?と不思議なくらいなのだが、ひとまわり以上も年の離れた若者に混じって旗をふって彼らをけしかけ、サポートしてきた張本人が富岡さんだ。
フィルム制作には膨大なお金がかかるものだが“PLANET+1 ”には実は編集スタジオがある。近所のマンションに暮らす富岡邸に、16ミリの編集機材をはじめとした機材がそろう通称“キッチンスタジオ”(=台所にあるから)。そこにはたえず映画制作をする若者が出入りし、このスタジオから数々の映画が生まれている。
時には、富岡邸が打ち上げ場所になったりで何度か、ここに流れ込んでそのまま雑魚寝状態で過ごすという機会があったのだが、そうするといつも夜中になると、卒制を作っているという学生がやってきてはリールをガラガラと廻し、編集作業を始めていたりするのだ。
自分も、知人の映画が“PLANET+1 ”で上映されるという名目で、ようやく初めてちゃんとここを訪れたのが2000年の春。
まず、雑居ビルの地下にある、このスペース自体に驚き(!)若いスタッフたちが大勢集い、熱気のある様子に目を見張った。
そしてその時誘われるままに、ゲストである監督を囲む会の打ち上げで、富岡邸にも初めてお邪魔することになり、皆でカレーパーティとなった。
商業ベースで映画の仕事をすることに少々疲れ、疑問を感じていた自分には単純に好きだというだけで希望を持って楽しそうにしている彼らをみていると、そこに何か大切なものがあるようなそんな気持ちがこみ上げ、まるで“ユートピア”のように思えたのだ。
それから何年か時を経て、世に出て現実に直面しながらも映画作りを続けている彼らがいる。彼らが作る場がこの場所なら、発表する場として毎年おこなわれる“シネトライブ”という映画祭がある。
The 26th Hong Kong International Film Festival
第26回香港国際映画祭
「獨立時代/The Age of Independents」PLANET OSAKAとして上映
『どんてん生活』HAZY LIFE
『悲しくなるほど不実な夜空に』Ryuko, in the unfaithfil evening
『プウテンノツキ』The Slackers Dream of the Moon
『鬼畜大宴会』Kichiku
http://www.hkiff.org.hk/eng/prog/showby_criteria.php?criteria=part_section&se_code=009 |
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