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 さて、「第三夜のアンケートの声から」です。
やはり、ごく一部で心苦しいのですが、御意見の如何にかかわらず、ハガキの抽選のように抜いてご紹介いたします。
 御礼の言葉など省略しているところもありますが、どうぞ御了承くださいませ。
 本当にありがとうございました。

 

 古典とは縁がなかったので、難しいものかと思いましたが、表現が明快だったので、私なりに理解できました。楽しかったです。勉強をして機会があれば、もっと観てみたいと思いました。日本人として、自国の文化をもっと学んでおくべきだ、と反省しました。

EBaさん(36歳)

 <花形能舞台>が、そう思ってくださるきっかけになって、たいへん嬉しく思います。能だけではなく、日本には触れてみると楽しいものが、まだまだたくさんあります。どんどん出会ってください!

 

 最後の盛りあがりが最高!!やっぱり能はおもしろい(何言ってるか分からんが)。音楽も緊張感があるし、シテの神秘性もたまらない

ともさん(20歳)

 私も20歳のころ、そう思いました。同じだ〜。

 

 すごいお囃子が入った曲で、びっくりというか、ミュージカルというか、はじめてでした。でも、派手ではない。おわったら夢からさめたボーッとした感も残り、よくできてるなぁと思った。

K.Yさん(25歳)

 能のことを室町ミュージカルという言い方をする人もいます。日本のオペラという人もいます。最近では、<楽劇>なんていう言葉もできています。ほんと『邯鄲』ってよくできてますよねぇ。

 

 夢から醒める直前がなにやらエラくせつなかった。一畳台とやらが盧生さんの舞ってる間、広く感じたことにたまげた。あの横跳び寝はシロウトにも可能ですか?

Y.Hさん(28歳)

 よい子はマネしてはいけません(笑)。マットレスでやっても怖いですよね。それを動きにくい装束を着け、見えにくい能面を着け、しかも美しく形を決めてやるのですから、そらシロウトには無理ですがな(笑)。上手く決まれば、本当に効果的なのですが、決まらなければ…。私も『邯鄲』は何度も見ていますが、跳んだのを見たのは2回目です。観世流では普通はやらない型で、最初に見たのは喜多流の粟谷能夫さんでした。はじめて見た『邯鄲』で、「能ってすごい!」と思いました。その空中で綺麗に決まった写真が、後に本に紹介されていて、めったに綺麗に決まらないんだ、と知りました。
 と、いうわけで、当日の舞台写真の終わりに、ビデオテープから起こした連続写真をアップしてもらいました。

 

 内容はかるくしかわからなかったのだけれど、夢からさめるときの曲のリズムとその後の静けさがとても素敵に思いました。

I.Aさん(20歳)

 初めて観させていただきました。ゆったりとした動き、足さばき、衣装に魅了されました。夢からさめた時の〝間〟に、戸惑いと落胆の表情を感じました。面をつけているのに表情を感じるなんて…。自分でも不思議です。

Mayuさん(32歳)

 夢からさめた時に注目してくださった方がたくさんあって、当日のシテは「してやったり」と喜んでいることでしょう。『邯鄲』というと、夢から醒めるまでに、たくさんの見どころがあるのですが、ほんとうは夢から醒めたところを観てほしいのだと、シテ(味方玄)もインタビューに答えています。そこを観てほしいがための、数々の〝仕込み〟なのです。優れた能の面って表情豊かなんです。それは造形的にも、実は秘密があるんですが、それはまた何かの機会に。

 
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