平成15年4月5日、国立文楽劇場の4月公演で吉田簑太郎は、三世桐竹勘十郎を襲名した。襲名披露狂言の演目は『絵本太功記』。昭和41年に中学2年生だった彼が、手伝いに借り出された演目だ。それから37年目、新・勘十郎は、見事に主役の武智光秀を務めた。 人形遣いは、足遣い十年、左遣い一五年と言われるほど、長い修業を要する仕事だ。しかも、漫然と時を過ごしているだけでは何も残らない。自身を磨くために勘十郎は何をし、何を目指してきたのか。修業時代から勘十郎襲名までを聞く。