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春川国際マイムフェスティバル2003でのステージ。

では、日頃の“鍛錬”というか、身体とそのコントロールについてお聞かせください。

規則ただしい生活と野菜中心の食事。毎日ジムで1キロ泳ぎ、それから稽古場へ。稽古場では基礎訓練からハードな動きまで一通りやって汗を流し、夜、唯一の楽しみであるクラシックのCDを聴きながら自分へのご褒美にとロマネコンティでゆっくりのどを湿らす。

...うそです。(笑)

...本当のところは?(笑)

そうですね...実際泳ぎに行ったりもしていますが、鍛えるというよりは泳ぐのが好きなので癒されに行ってる感じです...。まぁ、超不規則で不健康な生活はしていないといった程度です。普通です。

実際、小さなイベントまで含んだら年間かなりの数のステージをしていますし、教室も何箇所もあるので、それが鍛錬の場になっているんだと思います。

では、いいむろさんにとって、舞台表現を観るということって?

自分がお客さんの時は、なるべく素直なお客さんになろうと努力します。努力はするのですが、やはり自分も舞台で表現している以上、“思うところ色々あり”というときもあります。そんなときもとりあえず自分の感想は胸の中で...。たまにお金はいいから時間返せ!なんて思うときもありますけどね。(笑)

仁川国際クラウン・マイムフェスティバルでのステージ。

舞台に立つことでしか得られないことって?

なんでしょうね。

稽古の時には生まれてこなかった動きや考えが舞台上で出てきて完成する...そんな感じですね。いくら綿密な稽古やリハーサルやってもお客さんの前で舞台に立つってのは特別な空間なんでしょうね。舞台に立つノってのが生活の一部ですから、自分であんまりここは特別な場所だ!なんて考えないようにはしているんですけどね、やっぱ特別です。

では、舞台で演じてみせることでしか、伝えられないことって何でしょう?

作品によっても違うんですが、いつも根底にあるのは「マイムを好きになってもらいたいな」ってことかもしれません。「マイム?あぁパントマイムね。」と、敬遠されることの多いものですから、せっかく観にきてくれた人に、心地よい時間なり新鮮な驚きなり感じてもらえたらいいな...と思ってます。

以前、ピース大阪でステージ後のアンケートのひとつに、「僕もマイムになりたいです」と小学校4年生の男の子が書いてくれたものがありました。マイムになりたい...って言い回しにも笑ったんですが、とにかく「かっこいい」とか「すごい」って思ってもらえたんだろうな、と思うとなんだか嬉しかったのを覚えています。

具体的な質問ですが...会場キャパの限界ってありますか?

わからないですね。今の100人から200人は気持ちいいです。最近高校の文化鑑賞会で1000人のホールでやりましたが...疲れました。広い分、エネルギーが要りますね。1人対1000人ですから。

限界については一度実験してみたいです。1万人の野外マイムライブ!大阪ドームでのマイム公演!いいむろの登場と同時に気絶して担架で運び出される若いファンの女の子!...どうです?(笑)

是非、観てみたいです...となると、会場選びと内容の選択って関係ありますか?

会場はもちろんキャパも大事ですが、フィーリングもありますね。自分で選べるとしたらある程度具体的な規準はありますが、ここでやってくれといわれたら最大限努力する...そんなところでしょうか。内容もある程度選びますが、基本的に観る人の想像力で難しくもわかりやすくも変化するものなのでオーダーがあるとき以外は悩んだりはしませんね。

では、最後に...フランスから日本を経由しアジアへ、そして再びヨーロッパへ...と動いておられるのですが、その心の拠点についてお聞かせください。

そうですね、最近のプロフィールにも書いているのですが、「関西生まれのおフランス育ち」。実際、日本を19歳で離れて26歳までフランスにいたわけで、その多感な時期をフランスで過ごしたのは自分にとって大きいことだと感じています。やはり作品の中にも日本とフランスが混在していると思います。

帰国してもう5年たったわけですから、また違った感覚でヨーロッパに行って、演ってみたいって気はいつもありますね。

どうもありがとうございました。

 

いいむろなおきさんのホームページ:「マイムの頁」

撮影:いいむろなおき
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