日々是ダンス。踊る心と体から無節操に→をのばした読み物 |
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作品紹介とインタビューによる「あなたのダンス」1
『男の悲哀と彼が手に取る武器』リズマン・プートラ
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TVのヴァラエティー番組でよく聞かれるような空疎な喚声に応えながら、パンツ一丁の男が登場。手にしたスーツケースからズボン、靴、シャツ、ウィッグを順次取り出して、それらを身につけてゆく過程で、文明化と身体の葛藤をデモンストレーションしてゆきます。けれども筋書きは単線的な流れには回収されません。最初マッチョなポーズを身にまとっていた彼が、派手な衣装に抵抗しながらも束縛されてゆく中で、性差の不明な怪しげな身体に変容してゆくのです。加えて、シャツを引き裂き、仕上げのウィッグを、頭にかぶったり体に巻き付けたり、果てはパンツに突っ込んだりする中で、野性的な身体が呼び覚まされてゆきます。何種類もの小道具、ミックスされた音楽、作品全体が記号で溢れかえる中、最終的には身体が、社会的な役割を帯びた衣服を身につけるという表象行為を超えて、「マッチョ」や「野生的」といった裸体がまとう記号さえはぎ取って、赤ん坊のように咆哮する姿が胸に刺さる作品でした。
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+絵画から始められて、ダンスに来られたきっかけは何ですか?
リズマン:絵画からパフォーマンスを経由してダンスです。10年ほどパフォーマンスをやっていたときに、ご存知の山崎広太さんも含め、たくさんのダンサーと仕事を一緒にして、影響を受けたんです。初めて踊ったのはダンス・カンパニーに入ったときです。振付家に選ばれて、踊るというよりは見ていたのですが、2年間一緒に仕事をしたので、テクニックを習得しました。何のテクニックなんでしょうね?モダンかコンテンポラリーになるかと思うのですが。作品の中でムーヴメントをたくさん用いていましたが、それをダンスと呼ぶのかさえわかりません。けれども動きが重要だったことは確かで、それで私は長年自分の体を動かしているのです。
+非常に表現豊かな身体をお持ちでいて、衣装や小道具をたくさん使われたのはなぜですか?
リズマン:コンセプトの助けとなるからです。演じるときは誰かや何かを“装う”わけですよね。この“装う”というコンセプトが鍵になっているのですが、衣装を身につけると、自動的に何かや誰かを装うことになる。こういった考えを表しているんです。
わたしの作品はある男とそのエゴをめぐるものです。男がいかにエゴイスティックでいられるか、“装う”ことからいかに逃れられるか。そして人間が壊れて別のものになることに感じる抗いがたい魅力。つまり、ある冷酷な男が女のポジションをとるとき、床の上に転がった彼を見て、この男がいかに大きなエゴを抱えているか目にする。個人的に、男というものは常に女性的な部分を内に持っていると思います。男であるときもあれば、女性的な部分を覗かせるときもある。エゴのゆえにね。こんな考えを持っているんです。
なぜこんなテーマに関心を持ったか?人類として、男として、一人の人間としての私の立ち位置についての問いかけのようなものですね。人が崩れ落ちるとき、どうしようもなく可笑しいとき、床に仰向けにひっくりかえるといったことに興味をひかれるんです。こういった考えで作品をつくっていて、パフォーマンスを見て人が笑うとき、同時に自分自身をも笑っているといった、何かを分かち合える地点を捜しています。
こういった関心があるので、ダンスは私がやっていることの一部に過ぎないんです。私はいろんな作品づくりに関わっていて、ヴィデオ作品も多いし、インスタレーション作品もあり、バンドで歌ったりもしています。私の感覚はヴィジュアル・アートに大部分を負ってもいます。だから私は、ダンスには収まらない枠組みの中で作品づくりをしているんです。
※special thanks for typing and translation to 藤田一さん、一郎さん
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