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日々是ダンス。踊る心と体から無節操に→をのばした読み物


22 読解できないもの その1

ATTENTION! Bプログラム情報 !ピチェ・クランチェンの大阪滞在制作!
「このフェスティバルで2回呼んだのは彼だけなんですよ。」と、dBディレクターの大谷氏が惚れ込んだ、タイの古典舞踊の改革者、コンテンポラリーダンスの振付家、ピチェ・クランチェンさん。第3回目となった今回は、オーディションで選んだ4人の出演者とともに、2週間の滞在制作を行うという、さらに贅沢な企画です。是非とも足をお運びください!
公演日:3月3日(土)19:00開演/4日(日)15:00開演 
公演料金:1500円(前売り)/2000円(当日)
予約・問合せ:Art Theater dB tel:06-6646-1120 e-mail:dancebox@rock.sannet.ne.jp
JCDNダンスリザーブ http://dance.jcdn.org/


 
 
 
< b>ピチェ・クランチェンさんにとってのダンスとは?

鋭い洞察に基づいた数々の発言で、アジア・ダンス会議のセッションを活気づけてくれたクランチェンさん。その中から、タイの伝統的な古典舞踊と、西洋の芸術舞踊という異なる背景をもつ舞台に立って来た彼のダンス観の一端が窺える言葉を拾い上げてみようと思います。

まずは、ジェコ・シオンポさんがdBの舞台でも見せてくれた素晴らしいビデオダンスをプレゼンテーションしてくれたとき。その斬新さと映像作品としての完成度の高さに会場が驚嘆の声に包まれる中、クランチェンさんは敢えて、残念だという気持ちを表したのでした。というのは、「ダンサーは劇場で、人々の中に立つのが本分だと思うから。大事なのは、そこでお客さんに何かを与えることだけじゃなくて、同時にお客さんからもらうものを感じること。」

また、西洋の名だたる舞踊家、振付家のプロダクションに参加し、世界中をツアーしてまわっているクランチェンさんの経歴を、誰しも「成功」と捉えるのですが、彼自身にとっては、「ダンサーにとっての成功は、自分が生活している場所で、ダンスで生活してゆけること。」

これらの至極真っ当な見解は、ダンスの「芸術」化を進める中で希薄になってきた、観客とのコミュニケーションや、生活や社会とのつながりを、改めて思い出させるものではないでしょうか?おそらく、クランチェンさんにとってダンスとは、日常を忘れ、異国情緒に浸りに劇場にやってくる観光客のための娯楽や、インテリのためのおしゃべりの材料ではなく、それに関わるすべての人の深いところにはたらきかける力を秘めた、生の糧としてのアートなのではないでしょうか。

最後に、会議の準備として参加者に行われたアンケートで、「ダンスを創る上で、あるいはダンスに関わる上で一番大事なことは?」という問いに対する、クランチェンさんの答えをご紹介させていただきたいと思います。

1.それが芸術にとって価値があること
2.それが社会にとって価値があること
3.それが自分自身にとって、一緒に創っているチームにとって、作品がそこに参加している全員の思考や精神が浄化する力があるという点で価値があること。


3回目の滞在となった大阪で、メソッドを一つとして共有しないパフォーマーたちとともに、クランチェンさんがどのような時間を編み上げるのか、是非たくさんの方に体験していただきたいと思います。
クランチェンさんのホームページはこちら>>>http://www.pklifework.com/


Bプロの記事やクランチェンさんのインタビューはこちら>>>

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