
小粒のメセナ?個人の趣味?アートを支える多層なアクターに突撃 |
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○おまけ
技術協力というと、企業や技術者側からアーティストに対して一方的に何かを渡しているようなイメージを持つことが多いが、やなぎさん、山口さんと島川さんは、実際にはアーティスト側から技術者側に「なにか」を提供することがあることをはっきりと教えてくださったように思う。
また、アイデアや、コミュニケーションという不可視のものの価値が評価されるようになって久しいが、それを基軸にお互いのポテンシャルを引き出しあっていく関係にまでなるのは、そうたやすいことではないことも示して下さった。
山口さんがやなぎさんの作品に対する感想を述べる時、「モリヤに入っていたからやなぎさんと知り合い」、「仕事を離れて作品について話すことは難しい」と話すように、モリヤさんのお二人にとっては、自分のことばの背景に『企業』に所属していることが大きな意味をなしている。
しかし、私は、お二人の一言一句から所属意識を強固にまとった『企業人』の意見ではなく、新しいこと、困難かもしれないけれども挑戦できるものにあってみたいという、うずうずした『技術者』としての心意気に多くふれさせてもらったと思う。
お二人の話を参考にすれば、アートが人に渡す「なにか」は、誰にでも、考えたり工夫したりすることを楽しめる、もう一人の自分がいることに「気付ける」ということ
ではないだろうか。
そして、それに気付くためには、お互いの「やりたいこと」と「できること」を、真摯に突き合わす姿勢がなくては何も始まらないことを痛感した。
●お知らせ
やなぎさんの個展が行われます。
2005年6月—原美術館( http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html )
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