log osaka web magazine index
小粒のメセナ?個人の趣味?アートを支える多層なアクターに突撃
text
+ 辻 牧子
株式会社プラネットワーク勤務/神戸アートビレッジセンター1階にあるコミュニティースペース「1room」を企画運営奮闘中


#3:-IST×いちい工芸

本コンテンツでは企業とアーティストにインタビューを行い、あまり人目につかない層での、協賛・協力関係にある双方のゆるやかなつながりをレポートさせていただく。タイトル通りにマイクロロジー(「つぶさにものをみる、微視的観察」を意味する英語)的精神で、個別のインタビューを通してさまざまなすきまに入り込み、社会の中のアートの日常的風景を切り取ることができればと思っている。
さて、今回インタビューにお答え下さったのは演出家・作曲家の佐藤香聲(かしょう)さんと木工業を営む有限会社いちい工芸の代表取締役、竹内哲児さんだ。
お二人は 2004年10月2日にこけらおとし公演が行われた新劇場 「アリス零番舘 -IST(以下-IST)」の立ち上げに際して出会われた。
私がお二人に興味を持ったのは他でもない、私自身がスペースの立ち上げに関わる経験をもち、未だそのまっただ中で運営について日々模索し続けているからだ。そのスペースとは今までご紹介してきた通り、神戸アートビレッジセンターの1階に本年5月より開設したコミュニティースペース「1room」だが、当スペースのあつらえは理解のある建築家の方や工務店の方なくては進まなかった。
ましてや[-IST]は劇場である。お客の安全確保から舞台裏の作りまでさまざまな知識が設立には必要とされる場所だから、並大抵の決意や準備では実行できないはず。
そのため、今回は佐藤さんにはひとりのアーティストとして以上に、彼が芸術監督を努める[-IST]の立ち上げ者の一人としてお話していただいた。全くの個人の作品制作のためではなく、「場」をつくるという視点からではどのような関わりが生まれたのだろうか。
関西の顔的劇場やアートスペースが多く消えている昨今に建てられたこの劇場。なにやらとても固い意志が結集しているように感じ、少し薄暗い地下空間を覗き込んでみた。
 

 

page 1 2 3 4 5 6 7 next >>
TOP > 企業とアートのマイクロロジー > > #3:-IST×いちい工芸
Copyright (c) log All Rights Reserved.